Webマーケティングで役に立つ!知っておきたい心理学用語

webマーケティング

Webマーケティングの担当になったけれど、どうもターゲット顧客のニーズをつかみ切れていない気がするとお悩みの方はいらっしゃいませんか?

そのような時に問題解決の糸口となるのが心理学です。

ターゲット顧客の行動の理由を把握し、より自分の商品やサービスを効率よくアピールするために知っておきたい心理学用語を解説します。

目次

Webマーケティングに役に立つ心理学の種類とは?

Webマーケティングに使える心理学は4分野に渡ります。

①行動心理学
アメリカの心理学者であるジョン・ワトソンが1912年ごろに提唱した心理学です。

行動から人間の気持ちを理解するというアプローチがこれまでの心理学との違いで、Webマーケティングには活用しやすい考え方と言えるでしょう。

②認知心理学
ドイツ出身の心理学者ウルリック・ナイサーが1967年に出版した「認知心理学」という本で提唱されました。

顧客の中でどんな考えが浮かび、それが感情的・行動的反応にどのように影響するかを知るための心理学です。

③社会心理学
心理学と社会学から誕生し、アメリカ出身の心理学者ゴードン・オールポートに「他者が実際に存在したり、創造の中で存在したり、或いは存在することがほのめかされていることによって、個人の思考、感情および行動が、どのような影響をうけるのかを理解し、説明する試みである。」と定義づけられています。

社会の中での人々の心の動きや法則を解き明かしなぜそう感じ、行動に至ったかを解明する心理学です。

④行動経済学
1950年ごろから研究が始まったとされ、人間の心理や感情的な側面をベースに分析される経済学です。

2017年10月には行動経済学の権威とされるリチャード・セイラーがノーベル経済学賞を受賞しています。

新規顧客の集客に使える心理学

心理学はWebマーケティングのさまざまな場面で活用できますが、最初に新規顧客の集客に使える心理学を11個ご紹介します。

それぞれの言葉に興味を持ち、具体的な活用方法を知りたい方は詳細記事へのリンクも参照してみてください。

①返報性の法則

人から何かをしてもらった時に「何かお返しをしたい」という気持ちになる心理のことです。

  • 店員さんに頑張って割引をしてもらったので、購入しよう。
  • 化粧品のサンプルを無料でもらったので、アンケートに答えてあげよう。
  • 試食をさせてもらったので、その商品を購入してみよう。

②スノッブ効果

ある商品やサービスが人気でたくさんの人に保有されると、希少価値がなくなるため購入意欲が下がったり、他の希少価値の高い商品やサービスを求めるようになったりする心理効果を言います。

  • ◯◯着限定などの商品に惹かれる。
  • 好きなバンドがメジャーデビューしたら徐々に興味が薄れてしまった。
  • あなただけの◯◯、世界に◯個だけのという商品が欲しい。

③マッチングリスク意識

商品やサービスを購入する前に自分に合わなかったらどうしようと不安になる心理現象です。

  • 通販だとサイズがわからないので自分に合ったサイズが本当に届くのか。
  • この車を◯◯万円で購入しても、あまり乗らなかったら無駄なのではないか。

④ウィンザー効果

直接本人に伝えるよりも第三者を介して伝えると信憑性が増すという心理効果のことです。

  • 「利用者の97%が満足していると回答しました」というアンケートの結果を見て、購入を決めた。
  • 友人が「△△△というレストランのピザが美味しかったよ」と言っていたので行ってみよう。

⑤ハロー効果

認知バイアス(思考のゆがみ)の1つで、人やものに顕著な特徴があるとそれに対する評価が影響を受けてゆがむことを言います。

  • 有名な美食家が「美味しい」と評価していたから、きっと美味しいに違いない。
  • 先程の営業の人は、清潔感があり身だしなみもきちんとしているので、仕事ができそうだ。
  • △△△株式会社は、あの立地に立派な自社ビルを持っていてCMも出しているし、信頼できそうだ。

⑥カクテルパーティ効果

選択的注意(多様な情報の中から自分にとって重要なものを選択して注意を向ける認知機能)の1つで聴覚に対して働くものを言います。

  • 電車でウトウトしてしまったが、「次は□□□~」というアナウンスで目的地の手前で目を覚ました。
  • 入客の多いカフェで本を読んでいたが、「△△さん」と自分と同じ名前を呼ばれて思わず顔を上げた。

⑦フレーミング効果

物事を表現する枠組み(フレーム)を変えて見方や基準をずらすと同じことでも読み手が違う印象を持つという心理効果を言います。

  • 「解約率3%」よりも「継続率97%」のほうが良いサービス(商品)のように感じる。
  • 「3,000円以上購入しないと送料がかかります」よりも「3,000円以上の購入で送料が無料になります」のほうが魅力的に思える。

⑧文脈効果

ターゲット顧客の商品やサービスに対する価値の感じ方が、前後の状況・環境・情報によって変化する心理効果のことです。

  • 普段の生活で700円のジュースは高いと感じて購入しないが、映画館やテーマパークでは700円のジュースを気にせずに購入している。
  • スーパーで購入したお刺身をパックのまま出すよりも、お皿に盛り付け直して出したほうが美味しそうに見える。

⑨シャルパンティエ効果

同じ重さで体積の異なる2つのものを比較した時、体積が大きい方を軽く感じてしまう心理効果を言います。

  • 「◯◯平方メートルの牧場」よりも「東京ドーム◯個分の広さの牧場」と言われたほうがイメージしやすい。
  • 「年会費6,000円」よりも「月額500円」のほうが値段に対する抵抗が少なく感じる。

⑩権威への服従原理

ミルグラム効果(Milgram effect)とも呼ばれ、物事の実際の信憑性にかかわらず肩書きや地位のある人の意見を信じてしまうことを言います。

  • このサイトは”現役の医師が監修”となっているので、掲載されている情報も信頼できるはずだ。
  • 「△△賞の金賞を受賞したブランド米」と書いてあるので、このお米はきっと美味しいだろう。
  • 「ソムリエが厳選したこだわりのワイン」は、プロが選んだなら間違いないはずだ。

⑪一貫性の原理

自分の態度や発言、行動に一貫性を持たせたいと感じる心理効果を言います。

  • 自分は骨格ストレートだから、この服は似合わないだろう・・・
  • 「今日は暇だ」と伝えてしまった手前、「飲みに行こうよ」と誘われたら嫌でもなんとなく断りづらくて行ってしまう。

コンバージョン率を上げるのに使える心理学

次にコンバージョン率を上げるのに役立つ心理学を8つご紹介します。

①アンカリング効果

「anchor」=錨(いかり)を語源とする認知バイアス(無関係な要素に影響されて物事を評価すること)の1つで、最初に持たされた先入観に基づいて物事を判断することです。

  • 「15分遅れます」と連絡があったが、実際には5分しか待たず、「10分急いで来てくれた」ように感じた。
  • パソコンを買いに行ったところ、参考価格100,000円のパソコンが「セール中のため本日限り70,000円」となっていたので購入した。

②バンドワゴン効果

ある選択肢が多数の人に支持されることで、さらに選ばれやすくなる現象を示します。

  • SNSで話題になっていたパンケーキ店の前を通りかかったところ、行列ができていたので思わず並んでしまった。
  • 「使用した人の98%が効果を実感」と書いてあった化粧品を購入した。

③同調現象

何かを判断する際に人々の意見が多数派の意見に影響されることです。

  • あるツールを導入しようと検討していて、”業界No.1の導入実績”と謳われているサービスを選んだ。
  • 「トイレットペーパーが店頭からなくなるかも!?」というニュースを見て、トイレットペーパーを買いにドラッグストアへ走った。

④ウェブレン効果

価格が高い商品やサービスを「価値も高い」と思い込む心理的効果を言います。

  • この洗濯機は30万円で購入したものだから、性能もいいし使いやすい。そう簡単に壊れることもないだろう。
  • あるブランドのあるカバンは日本では◯◯個しか購入できない高級品だから手に入れたい。

⑤保有効果

自分が所有する物や環境に高い価値を感じ、手放したくなくなる心理効果です。

  • あのサプリの試供品を飲んでからなんとなく調子がいい。購入して飲み続けてみよう。
  • 何年も着ていない服なのに、なんとなく捨てるのは気が引ける・・・。

⑥損失回避の法則

人間が「得をすること」よりも「損をしないこと」を選んで行動してしまうことを指します。

  • 「1ヶ月使っても効果がなければ全額返金します」とあったので、試してみる気になった。
  • 「入会すると年間費が永久無料」というサービスをみて、今入会しないと損だと感じた。

⑦松竹梅の法則

3段階の選択肢があった場合に真ん中を選ぶ心理効果です。

  • 3,000円/4,000円/6,000円のワインをおすすめされて、4,000円のワインを選んだ。

⑧ツァイガルニク効果

人間が達成できなかった事柄や中断している事柄に対してより強い印象や記憶を持つという心理現象のことです。

  • テレビで「果たして結果は!?続きはCMの後で!」と言われると、気になってテレビを見続けてしまう。
  • 「プロが教えるダイエットのためにやるべき3つのこと」というタイトルに惹かれて記事を読んだ。

既存顧客へのアプローチに使える心理学

最後に既存顧客へのアプローチに用いることができる心理学を6つご紹介します。

①カリギュラ効果

心理的リアクタンス(選択の自由を奪われると反発する心理作用)の1種で、禁止されると興味や好奇心が強まりその禁止を破りたくなる心理効果です。

  • 「痩せたくない人は見ないでください」につられて広告バナーをクリックしてしまった。
  • 袋とじの中身が気になって、つい雑誌を買ってしまった。

②ディドロ効果

自分の生活環境に理想的な価値を持つ新たなものが入ってくると、それに見合う価値のものを買いそろえたくなる心理を言います。

  • キャンプにハマってしまい、より楽しむために次々とキャンプに必要な道具を揃えた。
  • 節約を始めた途端、クーポンやポイントカードに敏感になり活用するようになった。

③ザイオンス効果

同じ人や物に接触する回数が増えるほど、次第に好感度や評価が上がっていく心理現象です。

  • 取引先の人が「近くまで来たので・・・」と手土産を持って顔出してくれたことで、良い人だなという印象が強くなった。
  • ある商品のCMや広告を何度か目にするうちに気になってきて、購入した。

④バーナム効果

誰にでも当てはまることなのに自分だけに当てはまることだと錯覚する心理的効果を言います。

  • おみくじや占いの内容を見て、「あ、当たってる」と感じることがある。
  • 広告などで「◯◯◯にお悩みの方へ」という文言をみて自分のことかもと思い、クリックした。

⑤決定回避の法則

選択肢が多すぎると人間は決断力が低下し1つのものを選べなくなるという心理法則です。

  • 初めて入ったレストラン。メニューがあまりにも多くて決めるのに時間がかかってしまった。
  • 体育祭や文化祭でクラスTシャツを作ろうとみんなで話し合ったが、なかなかデザインが決まらなかった経験がある。

⑥テンション・リダクション効果

テンション(Tension=緊張・不安)・リダクション(Reduction=減少)という言葉の通り緊張状態がなくなり気がゆるんでいる状態を営業活動やWebマーケティングなどに利用することを言います

  • コンビニでレジ待ちをしている時に、レジ近くの商品に目が行き、ついつい購入してしまった。
  • 洋服を試着した際に「こちらにはこのストールがお似合いですよ」と言われて一緒に購入した。
  • 飲食店で、「ご一緒にお飲み物はいかがでしょうか?」と進められて注文した。

まとめ

Webマーケティングに活用できる心理学は4分野に渡り、目的に応じてたくさんの心理法則を使い分けられることがわかりました。

ぜひ1つ1つの心理法則の詳細や具体的な活用法も目を通して、よりターゲット顧客の心を動かすWebマーケティング戦略を作るのに役立ててみてください。

少しでもお役に立てましたらシェア頂けますと幸いです。
著者情報:三倉 光生
リスティングやSNSの広告運用12年/フリーランス4年目の認定ランサー。国立大学卒業後、新卒でベンチャー企業に就職し広告運用からマネジメントまで行い独立。「顧客の利益創出」をモットーとした広告設計・運用を行っています。ポリシーは【即レス・誠実さ・期限厳守】

\最新情報・ノウハウを受け取る/