テンション・リダクション効果とは?Webマーケティングに使える心理学
遠足の終わりに校長先生に「家に帰るまでが遠足です」と言われたものの、どうしてそんなことを言うのかよくわからないまま家に帰ったということはありませんか?
この呼びかけはテンション・リダクション効果を防ぐために注意喚起として行われたものです。
この記事ではテンション・リダクション効果とは何かからWebマーケティングでの活用法まで詳しく解説します。
- 目次
- ■テンション・リダクション効果とは?
- ■テンション・リダクション効果をWebマーケティングで活用する方法
- アンカリング効果と組み合わせてクロスセルを狙う
- バンドワゴン効果と組み合わせてクロスセルを狙う
- 損失回避の法則と組み合わせてクロスセルを狙う
- ■まとめ
■テンション・リダクション効果とは?
テンション・リダクションとは、テンション(Tension=緊張・不安)・リダクション(Reduction=減少)という言葉の通り緊張状態がなくなり気がゆるんでいる状態を指します。
気がゆるんでいる状態の時は心理的に無防備になり判断力が少し低下しているので、この状態を営業活動やWebマーケティングなどに利用することをテンション・リダクション効果と言うのです。
ターゲット顧客の緊張状態が強ければ強いほど、期待できるテンション・リダクション効果も増すということを覚えておきましょう。
■テンション・リダクション効果をWebマーケティングで活用する方法
テンション・リダクション効果をWebマーケティングで活用する方法を3つご紹介します。
アンカリング効果と組み合わせてクロスセルを狙う
テンション・リダクション効果をアンカリング効果と組み合わせて使うと「ついで買い」でクロスセルを狙うことができます。
例えば高額な商品やサービスを購入した直後のターゲット顧客にはテンション・リダクション効果が働いて、少なからず気が緩むはずです。
また高額な商品やサービスを購入したためアンカリング効果が働き、その価格がターゲット顧客の中では基準価格となります。
このことから購入した商品やサービスより安い価格のものを「オプション」や「ついでに」という言い方で勧めると、ターゲット顧客は追加購入をしてしまいやすくなるという仕組みです。
オプションをたくさんつけることで利益が上がる商品やサービスを取り扱っている方はぜひ試してみましょう。
バンドワゴン効果と組み合わせてクロスセルを狙う
テンション・リダクション効果をバンドワゴン効果と組み合わせて使うとクロスセルを狙うことができます。
大手ECサイトで商品購入をすると、「よく一緒に購入されている商品」や「この商品を購入した人はこんな商品も購入しています」などの文言つきでいくつか別の関連商品を紹介されるため、なんとなくそれも購入した経験がある方は多いのではないでしょうか。
これは希望する商品やサービスを購入した後テンション・リダクション効果が働いた状態で、「他の人も買っている人気のある商品」を勧められたためさらにバンドワゴン効果が働き追加購入したのです。
気が緩んでいる状態で「他の人も購入しているようなので間違いないだろう」とターゲット顧客に感じてもらえるようにするのがこの方法を用いるコツと言えるでしょう。
人気の高い商品やサービスを取り扱っている場合、この方法を試してみるのもよいのではないでしょうか。
損失回避の法則と組み合わせてクロスセルを狙う
テンション・リダクション効果を損失回避の法則と組み合わせて使うとクロスセルを狙うことができます。
ネット通販で商品やサービスを購入する際、確認画面で次のような2つの文言を見かけたことはないでしょうか。
①あと1,000円分購入すると送料無料となります
②あと1,000円分購入すると全商品20%割引となります
このような文言を見ると購入を確定するのを一旦やめ、再度もう1,000円分ほしいものはないか探しに行く方は多いでしょう。
ターゲット顧客にテンション・リダクション効果が働いているタイミングで「あと1,000円分購入しないと損をする」という情報を提供したため、損失回避の法則が働き1,000円分のクロスセルに成功するという仕組みなのです。
損失回避の法則について詳しく知りたい方は、次の記事もごらんください。
■まとめ
テンション・リダクション効果はターゲット顧客が大きな決断をして少し気が緩んだタイミングで他の商品をすすめると効率良くクロスセルにつなげることができる、知っておくと便利な心理的効果であることがわかりました。
他のいくつかの心理的効果とも相性が良いので、さまざまな応用を効かせられると言えるでしょう。
顧客単価を少しずつでも上げていきたいけれど、なかなかうまくいかないと悩んでいる方はぜひテンション・リダクション効果を取り入れて、ターゲット顧客の購入意欲を上手に後押しできるよう工夫してみてはいかがでしょうか。