シャルパンティエ効果とは?Webマーケティングに使える心理学
お祭りでわたあめを作るところを見ると、材料として積んであるざらめは重そうなのにわたあめになるとふわふわしていて軽そうと感じた経験はありませんか?
これはシャルパンティエ効果が働いていることからこのように感じるのです。
この記事ではシャルパンティエ効果とは何かからWebマーケティングに応用する方法まで詳しく説明します。
■シャルパンティエ効果とは?
シャルパンティエ効果とは、同じ重さで体積の異なる2つのものを比較した時、体積が大きい方を軽く感じてしまう心理効果を言います。
1891年にフランス人医師のオーグスチン・シャルパンティエ(Augustin Charpentier)が出版した「大きさー重さの錯覚( size-weight illusion)」という本で発表されました。
オーグスチン・シャルパンティエは同じ重さの直径4cmと直径10cmのボールを用意し、被験者にそれぞれを持ち上げてどちらが重く感じるかを確認する実験を行います。
この時被験者は直径4cmのボールが重いと答えました。
この実験では視覚から錯覚をおこしていますが、目が見えない方にボールを触ってもらい同様の質問をしても同じ結果となるので、触覚からも錯覚を起こすことがわかっています。
■シャルパンティエ効果をWebマーケティングで活用する方法
シャルパンティエ効果とは何かをご理解いただいたところで、Webマーケティングで活用する方法を3つご紹介します。
キャッチコピーに用いる
シャルパンティエ効果を用いてキャッチコピーを作ると、ターゲット顧客により強い印象を与えることができます。
次の2つのキャッチコピーの例を読んでみてください。
①1粒に乳酸菌を500億個配合したサプリメントです。
②1粒にヨーグルト50個分の乳酸菌を配合したサプリメントです。
どちらがより印象深く感じたでしょうか。
①と②に配合されている乳酸菌は実は同じ量なのですが、キャッチコピーの後半で乳酸菌1個の体積とヨーグルト1個の体積をイメージさせるため、シャルパンティエ効果が働き①の印象の方が強くなるという仕組みです。
これを応用して数値を入れたキャッチコピーを作ると、ターゲット顧客が商品やサービスをよりイメージしやすくなるでしょう。
価格設定に用いる
シャルパンティエ効果を用いて商品やサービスの価格設定をすると、ターゲット顧客によりお得感をアピールすることができます。
例えば洋服のECサイトで、次のような価格表示をされていたらどのように感じるでしょうか。
①¥1,050(税込)
②¥955(税抜)
おそらく第一印象では②の方が安いと思う方が多いでしょう。
この2つは計算をしてみると同じ金額なのですが、3桁の数字と4桁の数字という違いでターゲット顧客に与える印象をガラリと変えているというわけです。
このように価格設定をする時は価格そのものも重要ですが、シャルパンティエ効果を用いた「見せ方」も意識するとよりターゲット顧客への訴求効果が高まることを覚えておきましょう。
商品説明に用いる
シャルパンティエ効果を用いると、ターゲット顧客にとってより印象に残る商品説明文を作成することができます。
例えば次の2つの商品説明文を見た時、どちらがより効果が高いと感じるでしょうか。
①タウリンを2000mg配合した栄養ドリンクです。
②タウリンを2g配合した栄養ドリンクです。
実際は2つは同じ量の配合成分を示しているのですが、①の方が圧倒的に効くように錯覚してしまいます。
数字が大きいだけで印象が強くなっているのです。
このように商品説明文を作る時にシャルパンティエ効果を意識すると、同じ内容の説明文でもよりターゲット顧客の心に残りやすい内容にすることができます。
■まとめ
シャルパンティエ効果は人間の視覚、聴覚の錯覚から起こる心理効果で、Webマーケティングではよりターゲット顧客に強い印象を与えるためにさまざまな方法で活用できることがわかりました。
WebマーケティングではWebサイト内の限られた情報でターゲット顧客に購入意欲を高めてもらう必要があります。
そのため1つ1つの情報にインパクトがないとターゲット顧客に自分の売りたい商品やサービスを意識してもらうのは難しく、ましてやその先にあるコンバージョンをしてもらうのは至難の業となるでしょう。
ターゲット顧客にWebサイトにアクセスしてもらったとしても、隅々まで閲覧してくれる人は多くないことを考えれば、一語一句を大切に作りあげる姿勢を持つのは重要なことではないでしょうか。
ぜひシャルパンティエ効果を上手に活用して、ターゲット顧客の心を惹きつけるWebサイト作りに積極的に取り組んでみてください。