損失回避の法則とは?Webマーケティングに使える心理学

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パチンコやスロットで負け続けているのに、さらにお金を投資し続けている人を見て「なぜ負けているのに打ち続けるのだろう?」と不思議に感じたことはありませんか?

これは損失回避の法則が働いているからです。

この記事では損しているのにリスクを取りにいってしまう不思議な心理法則、損失回避の法則について解説します。

損失回避の法則とは?

損失回避の法則とは、行動心理学において使用される言葉で、人間が「得をすること」よりも「損をしないこと」を選んで行動してしまうことを指します。

人間は得をすることで得られる「喜び」の感情と損をすることで得られる「悲しみ」の感情では悲しみの感情を2.25倍強く感じるため「損をしないこと」を選んで行動するのです。

損失回避の法則は1979年に心理学者・行動経済学者のダニエル・カーネマン(Daniel kahneman)とエイモス・トベルスキー(Amos Tversky)によって提唱された「プロスペクト理論」の基となる「一つだけの質問による心理学(psychology of single questions)」と呼ぶ実験の中で初めて出てきます。

この実験では、被験者に次のような質問がされました。

「あなたが200万円の負債を抱えていたとすると、次のどちらの選択肢を選びますか?」

①無条件で負債が100万円減額され、負債総額が100万円となる
②コインを投げ、表が出たら支払いが全額免除されるが、裏が出たら負債総額は変わらない

この質問ではほとんどの被験者が②を選んだため、人間は損を目の前にするとリスクを取っても損を回避しようとする傾向があることがわかりました。

この「損を回避しようとする傾向」が「損失回避の法則」と名付けられたというわけです。

損失回避の法則が働く理由とは?

ではなぜ損失回避の法則が働くのでしょうか?

理由を2つご紹介します。

1つめは人間には現状維持バイアスがかかっているためです。

現状維持バイアスとは変化や未知なものを避けようとする心理作用のことを言いますが、人間には「損」という大きな変化を避けたいという現状維持バイアスがかかっているため損失回避の法則が働くと言えるでしょう。

2つめは悲しみを持続させたくないという欲求が人間にはあるためです。

2014年にベルギーのルーヴェン・カトリック大学においてフィリップ・ヴァーダイン(Philippe Verduyn)

教授とサスキア・ダブリセン(Saskia Lavrijsen)教授が感情の持続時間について調査を行いました。

その結果によると悲しみの持続時間は120時間なのに対して喜びの持続時間は35時間であることがわかったのです。

このことから損失回避の法則は「悲しみを避けたい」という欲求に由来していると言えるでしょう。

損失回避の法則をWebマーケティングで活用する方法

損失回避の法則をWebマーケティングで活用する方法を3つご紹介します。

損失の恐怖を解決するというアピール

商品やサービスが高額になるほど、ターゲット顧客は「お金を失うという損失の恐怖」と「商品やサービスから得られる利益」を慎重に天秤にかけて考えるようになります。

そしてお金を失うという損失の恐怖が上回ってしまうと商品やサービスの購入にはつながりません。

そのためお金を失うという損失の恐怖を取り払うアピールをターゲット顧客に対して行うと効果的です。

例えば「全額返金保証」「2週間無料お試し可能です」などの文言をLPに入れておくとターゲット顧客の恐怖心は取り除かれるのではないでしょうか。

高額な商品やサービスを取り扱っている方はぜひ試してみてください。

今を逃すと損をするというアピール

損失回避の法則はタイミング良くターゲット顧客の背中を押し、コンバージョンにつなげる工夫にも使うことができます。

例えば価格を割り引いても今売りたい商品やサービスがある場合、「本日限り半額」といったアピールをターゲット顧客に行ってみるのです。

ターゲット顧客はこの文言を見て「今を逃すと損をする」と感じるため、商品やサービスを購入する可能性は上がります。

他にも「ポイント失効まで10日」などのアピールも同じ効果があるので売りたいタイミングがある場合は試してみましょう。

このままだと損をするというアピール

損失回避の法則はターゲット顧客の行動に何らかの行動を促したい時にも使うことができます。

例えばターゲット顧客を会員にして、特別なサービスを行いたい場合「会員になると永久に10%offでお買い物ができます」のようにアピールしてみましょう。

ターゲット顧客はこのままでは割引を受けられないという損失を避けたいため、会員になってくれるのです。

まとめ

損失回避の法則はWebマーケティングで活用するとターゲット顧客の決断を促し背中を押すことのできる便利な心理的効果であることがわかりました。

ターゲット顧客へのアピールが決定打に欠けると感じている方は、ぜひ損失回避の法則を活用してみてください。

少しでもお役に立てましたらシェア頂けますと幸いです。
著者情報:三倉 光生
リスティングやSNSの広告運用12年/フリーランス4年目の認定ランサー。国立大学卒業後、新卒でベンチャー企業に就職し広告運用からマネジメントまで行い独立。「顧客の利益創出」をモットーとした広告設計・運用を行っています。ポリシーは【即レス・誠実さ・期限厳守】

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