ディドロ効果とは?Webマーケティングに使える心理学

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憧れの商品を手に入れて1点豪華主義にしようと心に決めていたのに、いつのまにかそれに合う商品を取り揃えたくなって困った経験を持つ方はいらっしゃいませんか?

この一貫性を持たせたい心理を活用することで売上アップやリピーターを増やすことにつながるディドロ効果について詳しく解説します。

ディドロ効果とは?

ディドロ効果とは自分の生活環境に理想的な価値を持つ新たなものが入ってくると、それに見合う価値のものを買いそろえたくなる心理を言います。

18世紀のフランスの哲学者・思想家であるドゥニ・ディドロによって執筆された「私の古いガウンを手放したことによる後悔」というエッセイを基に文化人類学者のグラント・マクラッケンが1988年に著書の「文化と消費とシンボルと」の中で名付けました。

エッセイにはディドロがある日友人から高級な緋色のガウンをプレゼントされたので古いガウンを捨てたところ、緋色のガウンに所持品が合わないと感じ始めたので買い改めた結果、浪費でお金がなくなり絶望したという事例が書いてあります。

このことから所持品や環境の調和を求める心理を「ディドロ効果」と呼ぶようになったのです。

ディドロ効果が働く理由とは?

ではなぜディドロ効果が働くのでしょうか。

人には自分の発言や行動に一貫性を持たせたいと感じる特性があります。

これを一貫性の原理と言い、「理想的な価値を持つ品物を買う」という行動に対して一貫性のある行動を取ろうとすると、その品物に合わせた買い物を次々としてしまうというわけです。

ディドロ効果の具体的事例

ディドロ効果の概要についてご理解いただいたところで、次はディドロ効果の具体的な事例を3つご紹介します。

①Appleユーザーの行動
Appleユーザーの人は「iPhone」「MacBook」「iPad」「Apple watch」など次々と同ブランドの製品を買いそろえる傾向にあるため、「Apple信者」と呼ばれることがあるのをご存知でしょう。

Appleユーザーの行動をディドロ効果で説明すると、「iPhone」を使用して満足度が高かったため、それに見合う価値のあるもの=Appleブランドの他の製品も購入するという行動につながっていると言えます。

②スマホゲームの課金
スマホゲームで多額の課金をする人がいますが、この心理もディドロ効果を使うと説明できるのです。

スマホゲームのガチャで希少性の高いアイテムを手に入れた→それに見合ったアイテムを揃えたい→更なる課金

確率を考えると決して費用対効果が良いとは言えないガチャに、多額の課金を行う人がいるのはこのような流れからなのです。

③シルバニアファミリーの商品陳列
シルバニアファミリーのおもちゃは直営店でもおもちゃ屋でも、おうちの中に家具やお人形が一式きれいに設置された状態で陳列されているのを見かけます。

これはお人形を一つだけ買おうと考えてきたターゲット顧客に、その陳列を見て「人形に見合った家具やおうちを買い揃えたい」という気持ちになってほしいためと考えられます。

ディドロ効果を上手に用いてターゲット顧客の購入行動を促している事例と言えるでしょう。

ディドロ効果をWebマーケティングで活用する方法

ディドロ効果を使ったWebマーケティングの方法を2つご紹介します。

①セットになった商品
インテリアショップのWebサイトではよく「春の新生活用インテリアセット」を販売するのを見かけます。

ターゲット顧客のインテリアの好みに合わせて「モダン」「ポップ」「ナチュラル」などいくつかの種類から選べ、「このような部屋に住んでみたい」と思わせるような魅力的な商品が比較的安い価格で取り揃えられているのです。

トータルコーディネートされていてセット以外の商品と組み合わせると不釣り合いになるのではないかとターゲット顧客に思わせることができるため、まとめ買いを促せるでしょう。

ディドロ効果でクロスセルに成功している良い事例と言えます。

②シリーズ化された商品
定番商品がロングセラー化しているカップラーメンでも、定期的に新作や季節限定商品を追加していることがあります。

これは「全部食べたことがある」という状態を維持したいターゲット顧客に対してディドロ効果を用い、クロスセルをしている事例です。

他にもWebマーケティングで使える心理学について知りたい方は、次の記事もごらんください。

まとめ

ディドロ効果は身近な活用事例やWebマーケティングでの成功事例が多く、比較的取り入れやすい手法であることがわかりました。

まとめ買いやクロスセルに持ち込むことができることから単価アップのために有効な手段なので、売上やコンバージョン率が落ちていると感じた時に試してみるとよいのではないでしょうか。

この記事も参考にしながら、ディドロ効果を上手に用いて自分の売りたい商品やサービスをより多くターゲット顧客に購入してもらえるよう工夫してみてください。

少しでもお役に立てましたらシェア頂けますと幸いです。
著者情報:三倉 光生
リスティングやSNSの広告運用12年/フリーランス4年目の認定ランサー。国立大学卒業後、新卒でベンチャー企業に就職し広告運用からマネジメントまで行い独立。「顧客の利益創出」をモットーとした広告設計・運用を行っています。ポリシーは【即レス・誠実さ・期限厳守】

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