集団極性化とは?Webマーケティングに使える心理学

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ネットニュースのコメント欄をチェックすると、ずいぶん極端な意見を言う人が多いのに驚くことはないでしょうか。

これは集団で議論することにより、集団極性化を起こしているのです。

この記事では集団極性化とは何かからWebマーケティングでの上手な活用法まで詳しく解説します。

集団極性化とは?

集団極性化とは集団で意思決定を行う際、個人で意思決定を行う際よりも極端な意見になりやすいという心理現象です。

集団で議論する際、極端にリスキーな意見になることをリスキー・シフト、極端に安全性の高い無難な意見になることをコーシャス・シフトと言います。

リスキー・シフトはネット社会で起こりやすく、コーシャス・シフトは会議などの場で起こりやすいでしょう。

1961年に心理学者(当時は大学院生)のジェームズ・ストナーによってリスキー・シフトが発見されたことをきっかけに提唱されました。

集団極性化が起こる原因は3つあると考えられています。

①集団の中では極端な意見を言ったとしても責任が分散されるため
②集団で行う議論の中では強く説得力のある意見が採用されるため
③人間には承認欲求があり、他の人により極端な意見で認められたいため

集団極性化はポジティブにもネガティブにも働くのが特徴的と言えるでしょう。

集団極性化をWebマーケティングで活用する方法

集団極性化をWebマーケティングで活用する方法を2つご紹介します。

社会的に有意義な活動に用いる

集団極性化がポジティブに働いた事例として、2009年に開始された家電エコポイント事業が挙げられるでしょう。

家電エコポイント制度は地球温暖化防止、経済の活性化、地上デジタル放送対応のテレビ普及を目的として省エネルギー性能の高いエアコン・冷蔵庫・地上デジタル放送対応テレビを購入した人に対して家電エコポイントを付与し、これを使用してエコ商品を購入できるようにした制度です。

この制度での家電エコポイント支給額は地上デジタル放送対応のテレビが大きな割合を占めました。

しかし地上デジタル放送は2011年7月24日の正午にアナログからの完全移行となったため、家電エコポイントの付与がなくても買い替えは進んだのではないかと言われています。

この件に関してはエコと名がつくため集団極性化が起こり、反対意見に耳を傾けなかったのではないかと批判が起こりました。

しかし集団極性化が起こったとしても、地球温暖化の進むスピードを考えると家電エコポイント事業が環境に与えた影響は有意義なものだったと言えるのではないでしょうか。

集団で極端な意見が採用されたとしても、それがネガティブなことばかりにはつながらないという1つの事例と言えるでしょう。

企業のイメージアップに活用する

「令和の虎チャンネル」というYouTubeチャンネルをご存知でしょうか。

このチャンネルは2001年~2004年に日本テレビで放送した「マネーの虎」に出演経験を持つ株式会社モノリス社長の岩井良明さんが立ち上げました。

令和の虎チャンネルには自分の事業に融資、投資、社内ベンチャーを希望する志願者が出演し、虎と呼ばれる経営者の方々に事業内容をプレゼンすることで良い事業内容と認められれば希望額を受け取ることができるというリアリティ番組です。

この番組のある回で手話を世の中に広めるために動画を作成したいので、その事業に投資してほしいという志願者がやってきました。

しかし、岩井さん始め出演者の経営者の方々は、事業内容とビジネスモデルから投資するに値しないと判断したのです。

ところが最終的に岩井さんの声がけと虎の皆さんでの話し合いにより、この志望者の方は希望金額を例外的に寄付として得ることに成功します。

投資としてはNothingという結論を出した出演者も、寄付という別の形で声がけがあったことにより集団極性化がポジティブに働き全員が投資(寄付)を行うことになりました。

この行為に対し、コメント欄には趣旨と異なるということで批判もありましたが感動したという意見が多く書き込まれました。

集団極性化が寄付という社会貢献となり、結果的に企業や個人のイメージアップへとつながったのではないでしょうか。

他にもWebマーケティングに使える心理学について幅広く知りたい方は、次の記事もごらんください。

まとめ

集団極性化は集団での意思決定において極端にリスキーな意見や極端に安全な意見を採用しやすいという心理現象ですが、結果的に社会的に有意義な判断にもつながりやすいことがわかりました。

集団極性化についてはネガティブなイメージがつきまといますが、内容を理解してブレーキを踏む役割を果たしたり、ポジティブな活動へと意識を向けたりすることに役立てることが大切なのではないでしょうか。

ぜひWebマーケティングでも上手に活用してみてください。

少しでもお役に立てましたらシェア頂けますと幸いです。
著者情報:三倉 光生
リスティングやSNSの広告運用12年/フリーランス4年目の認定ランサー。国立大学卒業後、新卒でベンチャー企業に就職し広告運用からマネジメントまで行い独立。「顧客の利益創出」をモットーとした広告設計・運用を行っています。ポリシーは【即レス・誠実さ・期限厳守】

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