フレーミング効果とは?Webマーケティングに使える心理学
「3割引」と「7掛け」は同じことを指しているのに何だか感じ方が違うと思ったことはありませんか?
これはフレーミング効果が働いているためそのように思うのです。 この記事ではフレーミング効果とは何かからマーケティングでの効果的な活用法まで詳しく説明します。
■フレーミング効果とは?
フレーミング効果とは、物事を表現する枠組み(フレーム)を変えて見方や基準をずらすと同じことでも読み手が違う印象を持つという心理効果を言います。
1981年に心理学者・行動経済学者のダニエル・カーネマン(Daniel kahneman)とエイモス・トベルスキー(Amos Tversky)によって「サイエンス」誌で発表されたのです。
フレーミング効果について、アメリカのミネソタ大学においてアレクサンダーロスマン博士が患者に2つのデータを見せて手術の承諾率を比較するという実験を行いました。
2つのデータは次の通りです。
①「600人中400人が死亡する」というデータ
②「600人中200人が助かる」というデータ
よく見ると同じことを表現しているのですがこの実験結果で手術の承諾率が高かったのは②で、よりポジティブな表現を用いた方が選ばれたことがわかります。
このようにフレーミング効果にはポジティブな表現を用いた「ポジティブフレーム」とネガティブな表現を用いた「ネガティブフレーム」の2種類があることを覚えておきましょう。
■フレーミング効果をWebマーケティングで活用する方法
フレーミング効果はネガティブフレーム、ポジティブフレーム両方を活用することができるので方法をそれぞれご紹介します。
Webマーケティングでネガティブフレームを用いる方法
Webマーケティングでネガティブフレームを使い、ターゲット顧客に効率的にアピールする方法を2つご紹介します。
①予防商品
防犯グッズや医薬品のように良くないことを予防するための商品では、ネガティブフレームを用いて損失を強調すると効果的です。
次の2つのキャッチコピーのうち、どちらがより印象に残るでしょうか。
・ダイエットして健康な生活を!
・肥満は万病の元!
同じことを表現しているのですが後者の方がよりターゲット顧客を「何か対策をしなければ」という気持ちにさせるため、コンバージョンにはつながりやすいでしょう。
②支払いの督促
ターゲット顧客の中には、好ましいとは言えませんが支払いが遅れてしまう人も含まれるでしょう。
そのような時には支払わないことに対して不利益を強調し、「支払いをしなければ、アカウントを停止します」のような伝え方をするのが効果的です。
Webマーケティングでポジティブフレームを用いる方法
Webマーケティングでポジティブフレームを使い、ターゲット顧客に効率的にアピールする方法を3つご紹介します。
①推進商品
QOL(生活の質)や健康を向上させるような推進商品では、ポジティブフレームを用いて利益を強調するのが効果的です。
次の2つのキャッチコピーを比較してみてください。
・95%の方がこの化粧品の効果を実感しています
・5%の方だけがこの化粧品の効果を実感できません
全く同じことを表現していますが、前者のキャッチコピーを用いる方が印象が良く、ターゲット顧客の購買意欲を高めることにつながるでしょう。
②ポイント還元
「ポイントカード提示で10%割引」「ポイントカード提示で10%還元」はどちらも良く見かける言葉ですが、後者の方が魅力的に思うのはなぜなのでしょうか。
これはターゲット顧客がこの言葉を見ると10%割引の方はお金を支払うという損失しかないと感じ、10%還元の方はポイントをもらえるという利益があると感じるためなのです。
フレーミング効果の他に損失回避の法則も働いている事例と言えるでしょう。
人間が損失に対して恐怖心を抱き、利益を得るよりも損失を回避するように行動する「損失回避の法則」についても詳しく知りたい方は次の記事もごらんください。
③無料
お金を支払うという損失がないため、「無料」という言葉はターゲット顧客にとても強い印象を残します。
例えば次のキャッチコピーを比較してみてどのように感じるでしょうか。
・5点セット購入で20%割引
・5点セット購入で1点無料
割引率は同じですが、圧倒的に「無料」という言葉を使用した方に目が惹かれるでしょう。
このことから「無料」という言葉を上手に用いるとターゲット顧客の購買意欲をより高めることができるのです。
■まとめ
フレーミング効果はポジティブフレームとネガティブフレームの2種類あるのですが、Webマーケティングでは両方ともターゲット顧客へのアピールに役立てることができる心理的効果だとわかりました。
WebサイトでもLPでも、ターゲット顧客により強調して伝えたいことは必ずあるはずです。
フレーミング効果を上手に活用して、よりターゲット顧客の心を動かす伝え方を考えてみてください。