ハロー効果とは？Webマーケティングに使える心理学
自分の好きなタレントがファンだと言っていた歌手を、自分もなんとなく好きになり動画をチェックしたり、コンサートに参加したりするようになったという経験をお持ちの方はいらっしゃいませんか？
これはハロー効果という心理現象によるものです。
この記事ではハロー効果とは何かからWebマーケティングでの活用法まで詳しくご紹介します。
■ハロー効果とは？
ハロー効果とは認知バイアス（思考のゆがみ）の1つで、人やものに顕著な特徴があるとそれに対する評価が影響を受けてゆがむことを言います。
1920年にアメリカの心理学者エドワード・L・ソーンダイクの論文で初めて用いられ、日本語では英語の「halo」から後光効果とも呼ばれているのです。
ハロー効果は人間の脳が考えることを面倒がる特性を持ち、ある程度経験則で判断することから生じます。
■ハロー効果の種類とは？
ハロー効果は2種類あることが知られています。
①ネガティブ・ハロー効果
例えばCMに起用されているタレントがプライベートで何か問題を起こしたとします。
本来そのタレントの仕事を遂行する能力にそのプライベートの問題は関係がないはずなのですが、CMで宣伝している商品の売上が落ちるといった現象が起こるのです。
これはタレントの「プライベートの問題」という目立つ特徴がタレントの持つ「仕事の実績」という要素の評価にネガティブな影響を及ぼしたことによるものです。
このような事例を「ネガティブ・ハロー効果」と言います。
②ポジティブ・ハロー効果
人事評価において、語学留学の経験がある営業担当の人は、実際の営業成績にかかわらずなんとなくイメージで評価が高くなるといったことが実際に起こります。
これは「語学留学の経験がある」という目立つ特徴が営業担当の人の持つ「仕事の実績」という要素の評価にポジティブな影響を及ぼしたことによるものです。
このような事例を「ポジティブ・ハロー効果」と言います。
■ハロー効果のWebマーケティングでの活用方法
ハロー効果をWebマーケティングで活用するにはポジティブ・ハロー効果を狙うのを前提として、具体的な方法を2つご紹介します。
与えたいイメージに合った人に宣伝してもらう
ハロー効果を狙った広告手法の1つとして与えたいイメージに合った人に宣伝してもらうという方法があります。
例えばアイドルにかわいらしいお菓子を宣伝してもらったり、風格のある年配の俳優に日本酒の宣伝をしてもらったりするような場合です。
この2人をもし逆にして宣伝を行ったらどうなるでしょうか。
アイドルが「かわいくておいしいお菓子です」と伝えたとすると説得力がありますが、風格のある年配の俳優が伝えると何か違和感が残るでしょう。
また風格のある年配の俳優が「こくがあり、味わい深い日本酒です」と伝えたとすると納得しますが、アイドルが伝えると本当にそのように感じているか疑わしくなるのではないでしょうか。
極端な事例ですが、「アイドル＝かわいい」「年配の俳優＝風格がある」という特徴はここまでハロー効果を強めるのです。
最近流行りのインフルエンサーマーケティングもハロー効果を上手に活用しています。
好感度が高く、商品やサービスに合った特徴のある人に宣伝してもらうと、より広告効果が高まるでしょう。
3Bの法則と一緒に活用する
予算的に俳優やアイドル、インフルエンサーへの依頼が難しい場合ポジティブ・ハロー効果が起こりやすい「3Bの法則」を活用した広告手法がおすすめです。
「3Bの法則」とは動画広告やWebマーケティングにおいて3Bを起用するとターゲット顧客の気持ちを惹きつけ、好感度を高められるという法則です。
・美人（Beauty）
・赤ちゃん（Baby）
・動物（Beast)
これらの3つの頭文字をとって3Bと呼ばれます。
美人は美しくて人の目を惹きつけるため、赤ちゃんは無条件にかわいらしいため、動物は癒されることからポジティブ・ハロー効果が生まれやすいのでしょう。
最近は大企業でもこの3Bを活用した広告展開が見受けられますし、もし自分の売りたい商品やサービスのイメージに合うのであれば、積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。
■まとめ
ハロー効果はポジティブ・ハロー効果とネガティブ・ハロー効果の2種類があり、Webマーケティングではポジティブ・ハロー効果を用いるとターゲット顧客に対して好印象を与えることができるのがわかりました。
自分の売りたい商品やサービスとのマッチング、宣伝を依頼したい人がターゲット顧客に訴求できる好感度を持つかどうかなど事前に分析は必要ですが、それに見合うだけの広告効果は得られる可能性は高いでしょう。
ぜひポジティブ・ハロー効果を取り入れて、効率的な広告戦略を行ってみてください。
