【2021年版】iOS14のアップデートがWeb広告に与える影響とは?
トラッキングは「追跡する」という意味を持ちますが、Webマーケティングの世界ではターゲット顧客に対し興味のあるWeb広告を配信するためその行動を追跡し、継続的に分析しています。
しかし一方で過度なトラッキングはプライバシーの侵害やセキュリティに対する脅威として近年問題視されつつあります。
この記事ではアンチトラッキング対策を背景としたiOS14のアップデートがWeb広告の配信に与える影響について詳しく解説します。
- 目次
- ■Web広告に影響のあるiOS14のアップデート内容とは?
- ■iOS14のアップデートがWeb広告に与える主な影響について
- ■リターゲティングに頼らないターゲティング手法とは?
- デモグラフィック・ターゲティング
- 地域ターゲティング
- オーディエンスカテゴリーターゲティング
- サーチターゲティング
- 類似ターゲティング
- ■まとめ
■Web広告に影響のあるiOS14のアップデート内容とは?
Web広告に影響のあるiOS14のアップデート内容を3つご紹介します。
①IDFAの利用がデフォルトで不可となること
IDFA (Identifier for Advertisers)とは、Appleがユーザーの端末にランダムに割り当てるデバイスIDのことで、iOS13までは広告主がこのIDを使ってターゲット顧客の行動を追跡できていました。
しかしiOS14ではアプリごとの設定でデフォルト不可となるためWeb広告配信に与える影響は大きいと言えます。
②ITPにバウンストラッキング対策が搭載されること
ITP(Intelligent Tracking Prevention)とは、2017年9月20日からiPhoneなどに搭載されているSafariブラウザに追加されたトラッキング防止機能のことです。
このITPでiOS14からターゲット顧客がサイト内のリンクをクリックした時に別のサイトを経由してから転送することで行うバウンストラッキングを防止することができるようになりました。
③アプリ内WebViewにもITPが適用されること
アプリ内WebViewとはアプリ内でブラウザを呼び出すことなくWebページを表示するための機能のことです。
ITPはiOS13まではSafariブラウザのみに適用されてきましたが、iOS14からはアプリ内WebViewにも適用されます。
具体例としてはchromeアプリを用いてWebサイトを表示するといったことです。
■iOS14のアップデートがWeb広告に与える主な影響について
iOS14のアップデートがWeb広告に与える主な影響についてアプリとWebにわけてご紹介します。
①アプリの場合
・IDFAがほぼ利用不可となり、配信できるターゲティング広告が減ること
・WEBから取得できるデータ量が減り、配信精度が低下してしまうこと
②Webの場合
・自動タグ拡張機能の停止により、カバーできていた分がなくなる
・WebView(=Safari以外のiOSアプリ)分もITPの影響を受けること
具体的には広告配信においてはリターゲティングによる広告配信量の減少、広告運用においては計測可能CV数の減少が見込まれるでしょう。
このため今後の広告配信においては、リターゲティングに依存しないターゲティング手法を取り入れていくことが大切です。
■リターゲティングに頼らないターゲティング手法とは?
リターゲティングに頼らないターゲティング手法を5つご紹介します。
デモグラフィック・ターゲティング
デモグラフィック・ターゲティングとは性別や居住地域、年齢などターゲット顧客の属性情報を用いて行うターゲティング手法です。
Yahoo!広告では性別ターゲティング、年齢ターゲティングなどが含まれますが、初期設定ではいずれも「設定しない」が選ばれているため、もし性別や年齢層を選んで広告を配信したい場合は「設定する」を選択し直す必要があります。
地域ターゲティング
地域ターゲティングは特定の地域に限定して広告を配信したり配信対象から除外したりする機能です。
Yahoo!広告ではキャンペーン単位で「配信地域の設定」「除外地域の設定」「入札価格調整率」「配信地域判定の詳細設定」「除外地域判定の詳細設定」という5つの項目が設定できます。
オーディエンスカテゴリーターゲティング
オーディエンスカテゴリーターゲティングとは特定のカテゴリに興味・関心を持つターゲット顧客、特定の属性やライフイベント(セグメント)を迎えるターゲット顧客に広告を配信するターゲティング手法です。
Yahoo!広告では広告グループに対して設定でき、オーディエンスカテゴリーごとの実績値を見て後から設定を変えることもできます。
サーチターゲティング
サーチターゲティングとは過去にターゲット顧客が検索したキーワードを基に、指定のキーワードで検索した人のみに広告を配信できる機能です。
Yahoo!広告ではディスプレイ広告のターゲティング機能の1つなので、ターゲット顧客に視覚的に訴求できるのがメリットと言えます。
サーチターゲティングの詳細を知りたい方は次の記事もごらんください。
類似ターゲティング
広告主のWebサイトを訪問したターゲット顧客に広告を掲載して再訪問を促すサイトリターゲティングという機能がありますが、このターゲット顧客と類似した行動履歴を持っているユーザーに対して広告を配信することを類似ターゲティングと呼びます。
見込み客になる可能性の高い新規ユーザーを選んで広告を配信できるのがメリットです。
■まとめ
iOS14のアップデートがWeb広告の配信に与える影響は大きく、広告配信においてはリターゲティングによる広告配信量の減少、広告運用においては計測可能CV数の減少が見込まれることがわかりました。
しかしYahoo!広告ではリターゲティング以外のターゲティング手法をさまざまに設定することが可能なため、ターゲット顧客が望むプライバシーやセキュリティを大切にしながらの広告配信が今後も可能です。
ぜひ新しい手法を積極的に活用して、ターゲット顧客に喜んでもらえる広告配信を行いましょう。