MECEとは?Webマーケティングの分析に活用できるロジカルシンキング手法
新しいことを始めるために買い物にいったけれど、必要な道具に漏れがあったという経験はありませんか?
このようなことを避けるために役立つのがMECE(ミーシー)です。
この記事ではMECEとは何かからWebマーケティングの分析に活用する方法まで詳しく説明します。
■ MECEとは?
MECEとは、Mutually(お互いに)、Exclusive(重複せず)、Collectively(全体に)、Exhaustive(漏れがない)の頭文字を取った言葉で、「漏れなく、ダブりなく」という意味を持ちます。
アメリカのコンサルティング会社に所属していたバーバラ・ミントにより提唱されました。
MECEは下記のように図で示すと理解しやすくなります。
MECEはテクニックやビジネスフレームワークの手法ではなく、考え方の1つとして捉えるのが望ましいでしょう。
MECEを使う時に用いられる手法は2つあります。
①トップダウンアプローチ
既に全体を把握している場合はこちらの手法を用いるのです。
全体像に誤りがあると漏れが発生するのがデメリットですが、体系的・俯瞰的に考えられ、ゴールを意識した分類がしやすいのがメリットと言えるでしょう。
②ボトムアップアプローチ
全体像がまだ把握できていない場合に用います。
全体像がわからないため漏れが発生しやすいですが、未知の領域についても行うことが可能です。
■MECEに分類するための4つの切り口とは?
MECEにとって重要なのは、全体像を捉えていくつかの要素に正しく分類することなのを踏まえて分類の切り口を4つご紹介します。
対照的な概念で分類する
1つめの切り口は対照的な概念で分類することです。
例えば白と黒、女性と男性、法人と個人、既婚と未婚、大人と子供のような分類と言ったらわかりやすいでしょうか。
この切り口で分類すると、カテゴリーが2つしかないため他の切り口で分類するより簡単に分類できます。
プロセスで分類する
2つめの切り口はプロセスで分類することです。
時系列やステップ別での分類と捉えると理解しやすいでしょう。
この切り口を用いた手法にVRIO分析、PDCAなどがあります。
因数分解する
3つめの切り口は因数分解で、分析したい対象を計算式で表現しそれぞれの要素に分類していくことです。
Webマーケティングにおいては例として次のようなものが挙げられるでしょう。
①CTR
クリック率のことで、計算式は「クリック数÷imp数」です。
②CPC
クリック単価のことで、「費用(コスト)÷クリック数」の計算式で表されます。
③CVR
コンバージョン率のことで、計算式は「コンバージョン数÷クリック数」です。
④CPA
1コンバージョンを獲得するためにかかった単価のことで、「費用(コスト)÷コンバージョン数」の計算式で表されます。
⑤PV
Webサイト内にあるページのアクセス数のことで、計算式は「サイト訪問者数×閲覧ページ数」です。
これらの用語を見て、リスティング広告に関わる指標に因数分解が多く使われていると気付いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
Webマーケティングの中でも広告を担当する方は特に覚えておくとよいでしょう。
コンバージョン率の改善方法について詳しく知りたい方は次の記事もごらんください。
CVR(コンバージョン率)改善を効率的に進めるには?【リスティング広告】
Webマーケティングの担当者として自社のWebサイトの改善に取り組んだり、Web広告を見直したりしたもののどうも成果にあまり結び付かないとお悩みの方はいらっしゃいませんか? この記事ではCVR改善における原因の突き止め方から効率的な改善方法まで詳しく説明します。
要素で分解する
4つめの切り口は要素で分解することです。
人間の属性による、年齢、血液型、星座での分解などがわかりやすいでしょう。
分解した要素の合計が全体と一致している必要があります。
要素で分解する手法には4P分析、3C分析、PEST分析などが含まれます。
MECEを使用する上での注意点
MECEさえ用いれば全ての物事をきれいに分類できるかといえばそうではありません。
身近な例では本の分類ですが、複数のカテゴリーにまたがって分類することができる書籍も多いでしょう。
例えばビジネス書としての内容が書かれた漫画は、「ビジネス書」として分類するのがよいのか「漫画」として分類するのがよいのか迷う所です。
このような場合、分類が主観や思い込みによって左右されやすくなってしまうかもしれません。
カテゴリーが曖昧なものはMECEがあまり効果的ではないことを覚えておきましょう。
まとめ
MECEはフレームワークではなく考え方の1つで「漏れなく、ダブりなく」という意味を持ち、Webマーケティングではフレームワークやリスティング広告の指標などさまざまなものに応用されていることがわかりました。
フレームワークなどは最初に内容を見ると難しいですが、MECEの考え方を応用していると理解できれば親しみがわくのではないでしょうか。
ぜひ少しずつでも内容を把握していき、Webマーケティングの場でさまざまに活かしていってください。