LTV(顧客生涯価値)とは?計算方法から最大化するコツまで解説
Webマーケティングを担当している方なら一度は新規顧客を一人獲得するのにどのくらいの予算をかけるのが望ましいのかを考えたことがあるのではないでしょうか。
この記事ではそのような疑問を解決するのに役立つLTV(顧客生涯価値)という指標について解説します。
目次
■ LTVとは?
LTVとは日本語では顧客生涯価値と訳され、ターゲット顧客がある企業に対して生涯でもたらした利益から顧客を獲得・維持するためにかかった費用を差し引いた金額を指します。
Life-Time Value(ライフ・タイム・バリュー)の頭文字を取って名付けられました。
LTVはターゲット顧客が企業の商品やサービスをリピート購入する限り増加し続けます。
■LTVの計算方法について
LTVの計算方法はさまざまですが、わかりやすい一例を示します。
LTV=(商品やサービス1つあたりの収益×年間の平均売上数×継続購買年数)-(新規顧客獲得費用+顧客維持費用)
これに具体的な数字を当てはめて考えてみましょう。
単価が2,500円で利益率が30%の商品をターゲット顧客が5年間継続して年間平均12個購入しており、新規顧客獲得の際にかかったリスティング広告費用が5,000円、顧客維持のためのメルマガ配信に3,000円かかったとして試算します。
[(2,500×0.3)×12×5]-(5,000+3,000)=37,000
この場合のLTVは37,000円という結果です。
LTVがわかれば、新規顧客獲得のためのコストも次の式で算出できます。
上限CPA(目標コンバージョン単価) = LTV × 粗利率
CPAについても詳しく知りたい方は、次の記事もごらんください。
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■LTVを最大化するための方法とは?
LTVの計算方法から、LTVを最大化する方法を考えてみましょう。
収益と年間の平均売上数と継続購買年数を伸ばす
LTVを求める式の前半の3つの要素はどのように数値を大きくすればよいのでしょうか。
1つめの収益を上げる方法ですが、最初に考えつくのは客単価を上げるために値上げをすることでしょう。
しかしこの方法は値上げをする理由をターゲット顧客に説明し、納得を得られている前提で行う必要があります。
そのため値上げを考える前に試した方がよいのは商品やサービスのバリエーションを増やすことです。
今までの商品やサービスを中級品として、高級品、普及品と選択肢を増やすのです。
3種類とするのは選択肢を増やすだけではなく、心理学の「松竹梅の法則」を働かせてより中級品を選びやすくする効果も狙っています。
またセット販売も客単価を上げるのに効果的でしょう。
2つめの年間平均売上数を増やす方法ですが、SNSなどで情報発信を行って信頼関係の維持に努めながら、商品やサービスの買い替え時期に合わせてリマインドメールを送るといった施策が有効です。
この時情報発信、リマインドメール両方において売り込みばかりを意識するのではなく、ターゲット顧客に役立つ情報も含めて興味を持ってもらうことが大切だと言えます。
3つめの継続購買年数を伸ばす方法ですが、メルマガ配信や既存顧客限定セールなどのターゲット顧客の気持ちをつなぎとめておく施策が有効です。
購入してくれたターゲット顧客を、何度も購入してくれる優良顧客へと育成するという意識を持って行いましょう。
新規顧客獲得費用と顧客維持費用を減らす
ではLTVを求める式の後半の2つの要素はどのように数値を減らせばよいのでしょう。
無駄な広告費を削減するというのは、インターネットを通じてリスティング広告や動画広告を出稿しているマーケティング担当者であればある程度適切に行っているのではないでしょうか。
そこで広告を見てWebサイトにアクセスしてきたターゲット顧客を、いかに取りこぼしなくコンバージョンにつなげるのかという視点が必要になってきます。
CRO(コンバージョン率最適化)に取り組みコンバージョン率を改善するためには、EFO(エントリーフォームを最適化し離脱を防ぐ取り組み)、LPO(ランディングページを最適化しコンバージョン率をアップさせるための取り組み)などの施策を行うのが望ましいでしょう。
■まとめ
LTVとは顧客生涯価値のことで、ターゲット顧客が企業にもたらす価値はどのくらいかを適切に計測できる数値なので、企業がWebマーケティング戦略を考える上で重要な指標だとわかりました。
LTVを知ることはWebマーケティングの見直し、顧客管理手法の見直しなど現場の課題解決にも有効ですが、企業の健全な経営という高い目線でもビジネスを見渡すのに役立ちます。
ぜひ積極的に活用して、より自社に適したWebマーケティングを行ってみてください。