【2021年リリース】Google広告の拡張コンバージョンとは
Googleが2021年5月28日に開催したGoogle Marketing Livestream 2021で、Google広告の新機能である「拡張コンバージョン」が紹介されました。
この記事では拡張コンバージョンの内容から設定方法まで詳しく解説します。
目次
- ■Google広告の拡張コンバージョンとは?
- ■拡張コンバージョンの設定方法
- 顧客データに関するポリシーへの同意
- CSSセレクタを使用する方法
- JavaScript変数を使用する方法
- ■拡張コンバージョンを使用するメリット
- ■まとめ
■ Google広告の拡張コンバージョンとは?
Google広告の拡張コンバージョンとは、既存のコンバージョン測定に追加して設定することで、より正確なコンバージョン測定ができるようになる機能です。
今までGoogle広告ではグローバルサイトタグ(設置するとWebサイトに訪問したユーザーのドメインに新しいCookieが設定できる)とイベントスニペット(設置するとコンバージョンとして計測したい行動を追跡できる)を設定することでコンバージョンを計測していました。
しかしこれだけでは何らかの理由でコンバージョン認定されない場合や、タイムラグが発生したので拡張コンバージョンをリリースしより正確な計測ができるようにしたのです。
拡張コンバージョンでは計測するWebサイトで1st Party(訪問先サーバーが発行したCookie)の顧客データが取得され、SHA256(業界基準の一方向ハッシュ関数)を用いてハッシュ化し、プライバシーに配慮した方法でGoogleに送信します。
その後、ユーザーがログインしていた Googleアカウントとハッシュ化した顧客データを照合することで、広告イベントとコンバージョンが関連付けられます。
今までのコンバージョン計測方法だけでも問題なく計測できていたケースが多いのですが、それに漏れてしまったコンバージョンも計測できるようにしたのが拡張コンバージョンというわけです。
参考:Google広告ヘルプ「拡張コンバージョン(ベータ版)について」
■拡張コンバージョンの設定方法
Google広告における拡張コンバージョンの設定方法を3つご紹介します。
顧客データに関するポリシーへの同意
拡張コンバージョンを利用するためには、Googleが定める「顧客データに関するポリシー」を確認し、利用規約に同意する必要があります。
利用規約に同意する手順は次の通りです。
①Google広告にログインし、「ツールと設定」から「コンバージョン」を選択する
②画面左のメニューから「設定」をクリックし、拡張コンバージョンに適用される規約とポリシーを確認したら「保存」をクリックする
③画面左のメニューから「コンバージョンアクション」をクリックし、コンバージョンアクションのリストが表示されているページへ戻り、拡張コンバージョンで使用するコンバージョンアクションを選択する
④拡張コンバージョンを開き、「個別コンバージョン」を選択して「保存」をクリックする
参考:Google広告ポリシーヘルプ「顧客データに関するポリシー」
CSSセレクタを使用する方法
CSSとはHTMLのタグで囲んだ範囲の文字に色・大きさ・背景などを加えて見栄えを良くするものですが、このデザイン指定をどこのHTMLに対して適用するかを決めるのがCSSセレクタです。
HTML上に既に顧客データが反映されている場合、適用したいHTMLをGoogleタグマネージャー(Googleが提供するタグを一括で管理するツール)かグローバルサイトタグ(Google広告のタグをまとめて記載できるJavaScriptの枠組み)で指定することで必要な顧客データを取得することができます。
GoogleタグマネージャーでCSSセレクタを用いて拡張コンバージョンを導入する方法と、グローバルサイトタグでCSSセレクタを用いて拡張コンバージョンを導入する方法の詳細はGoogle広告ヘルプで手順を確認してみましょう。
参考:Google広告ヘルプ「Googleタグマネージャーを使った拡張コンバージョンの導入(ベータ版)」
参考:Google広告ヘルプ「グローバルサイトタグを使った拡張コンバージョンの導入(ベータ版)」
JavaScript変数を使用する方法
JavaScriptとはWebサイトに動きをつけるためのプログラミング言語ですが、同じ文字列や数値・計算式を繰り返し使用する際に使いまわせるよう、便宜上の名前である変数名をつけて処理を簡単にしたのがJavaScript変数です。
このJavaScriptのグローバル変数(プログラム内のどこからでも使える変数)として顧客データを保存すれば、拡張コンバージョンでその顧客データを使用できるようになるというわけです。
Googleタグマネージャーとグローバルサイトタグでは設定方法が異なるので、詳細はGoogle広告のヘルプで確認するようにしましょう。
参考:Google広告ヘルプ「Googleタグマネージャーを使った拡張コンバージョンの導入(ベータ版)」
参考:Google広告ヘルプ「グローバルサイトタグを使った拡張コンバージョンの導入(ベータ版)」
■拡張コンバージョンを使用するメリット
拡張コンバージョンを使用するメリットは、セキュリティに配慮しながらもより正確なコンバージョン計測ができることです。
広告を運用しながら少しずつ効果を高めていくためには、正確なデータに基づく分析を行うことが必要なので、それを叶える拡張コンバージョンのメリットは大きいものと言えるでしょう。
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■まとめ
Google広告の拡張コンバージョンとは既存のコンバージョン測定に追加して設定することで、より正確なコンバージョン測定ができるようになる機能で、セキュリティに配慮しながら広告効果をより高めることができるとわかりました。
自社に合った広告戦略を考えるためのツールとして、ぜひ積極的に活用してみてください。