パレートの法則とは?Webマーケティングに使える統計理論
Webマーケティング戦略を考えるとき、社内の限られたリソースを何に活用すれば売上アップにつながるのか迷うことはありませんか?
その答えを導き出すヒントになるのがパレートの法則です。
この記事ではパレートの法則とは何かからWebマーケティングでの活用方法まで詳しく説明します。
■パレートの法則とは?
パレートの法則とは80:20の法則、ばらつきの法則とも呼ばれ、2割の要素が8割の要素を生み出しているというばらつきのある状態を示します。
1986年にイタリアの経済学者ヴィルフレド・パレートにより提唱されました。
パレートの法則が働いている例の中で有名なものをご紹介します。
・企業の売上の8割は、全従業員のうちの2割の従業員で生み出している。
・全所得の8割は、人口の2割の富裕層が持つ。
・ソフトウエアの利用者の8割は、全体の2割の機能しか使っていない。
・100匹のアリのうち、よく働くのは2割だけである。
・Webサイトは、2割のページにサイト全体の8割のアクセスが集中する。
どの例も一度は耳にしたことがある内容なのではないでしょうか。
パレートの法則はビジネスや生活の中で意外とたくさん見つけることができるのが特徴的と言えるでしょう。
■パレートの法則をWebマーケティングで活用する方法
パレートの法則をWebマーケティングで活用する方法を3つご紹介します。
Webサイトの運営に活用する
パレートの法則はWebサイトを運営する時の分析に役立ちます。
Webサイトの運営をする上で重要なのがPVですが、これをパレートの法則に当てはめて考えてみると2割のコンテンツに8割のアクセスが集中して現在のPVの数となっているのです。
そのためWebサイトのPV数を上げようとしてリニューアルを考えた場合、PV数を生み出している2割のコンテンツをまず特定するのが重要だと言えるでしょう。
特定できたらそのコンテンツに対して積極的にSEO対策やSNS展開を行えば、より費用対効果の高いリニューアルを行うことができ、PV数が上がっていくというわけです。
例えばブログのPVにアクセスが集中しているなら、よりコンテンツを充実させたり最新のSEO対策を施したりすることでPV数が上がるでしょう。
PV数が上がらないからといって全体をリニューアルするのではなく、効果の高いところを見出してそこをより強みとして際立たせるのがポイントです。
ターゲティングに活用する
パレートの法則はターゲティングにも役立ちます。
ターゲット顧客をパレートの法則に当てはめてみると、2割の優良ターゲット顧客からの売上が全体売上の8割を占めているのです。
ということはその2割の優良ターゲット顧客をターゲットとしてヒト、カネ、モノの経営資源を集中させたマーケティング施策を行えば、売上がさらに向上するでしょう。
例えばアフターフォローを行う時も、8割のターゲット顧客にはメールで商品やサービスのお礼を伝えるだけにとどめ、2割の優良ターゲット顧客には戦略的にメールマガジンなどを配信して積極的にクロスセルを狙うといった差別化を行うのです。
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クレーム対応に活用する
パレートの法則はクレーム対応の方針を決める時にも役立ちます。
クレーム対応には時間を取られるだけでなく、社員の精神的な負担も大きくなってしまいます。
そのためまず考える必要があるのが、クレームを入れる顧客が売上の8割を占める2割の優良ターゲット顧客であるかどうかということです。
もし2割の優良ターゲット顧客であればクレーム対応を丁寧に行う必要があるかもしれませんが、もしそれに含まれないターゲット顧客であるとすればどうでしょう。
このようなターゲット顧客には無理に購入を継続してもらう必要はないかもしれません。
もし今理不尽なクレームを伝えてくるターゲット顧客に頭を悩ませているとしたら、パレートの法則に当てはめて本当に自社にとって必要なターゲット顧客であるかどうかを分析してみましょう。
■まとめ
パレートの法則は2割の要素が8割の要素を生み出しているというばらつきのある状態を示しますが、Webマーケティングにおいては現状の分析に活用すると戦略の改善に役立つことがわかりました。
どのような企業でも限られた時間や経営資源を効率よく活用して成果につなげなければならないのですが、パレートの法則を当てはめて一度じっくり考えてみると、どこに力を注げばよいのかが明確にわかります。
全てに10割の力を注ぐのではなく、2割の力で8割を目指すということを意識し、パレートの法則をさまざまなビジネスの場で上手に活用してみてください。