カスタマーマッチを使って既存顧客にアプローチ【Google広告】
新規顧客の開拓を行いたいけれど、既存顧客へのアプローチを優先的に行いたいのでなかなか手をつけられないとお悩みの方はいらっしゃいませんか?
この記事ではそのような悩みを解決するのにぴったりな機能、カスタマーマッチについて詳しく解説します。
- 目次
- ■カスタマーマッチとは?
- ■カスタマーマッチを利用できる要件とは?
- ■カスタマーマッチを利用できるGoogle広告の種類は?
- カスタマーマッチの設定方法について
- ■他の広告媒体で顧客リストを用いて広告を配信するには
- ■カスタマーマッチの効果的な活用方法とは?
- ■まとめ
カスタマーマッチとは?
カスタマーマッチとはGoogle広告の配信方法の1つで、自社の顧客データをリスト化してアップロードすると、その顧客や類似セグメントに対して広告が配信できる機能です。
具体的にはGoogleアカウントに登録された情報と顧客データの情報が比較され、一致すると広告の配信対象となります。
比較される情報の種類は次のとおりです。
- メールアドレス
- 住所
- 電話番号
- 氏名
これらの情報を組み合わせて絞り込みを行う場合もあります。
カスタマーマッチの精度を高めるためには、顧客データとして上記の情報をなるべく取得するように心がけましょう。
カスタマーマッチを利用できる要件とは?
カスタマーマッチはGoogle広告を利用する全ての広告主が使用できるわけではなく、Googleで定められた基準を満たした広告主のみが使用できる機能です。
利用要件についてご紹介します。
カスタマーマッチを利用するには、アカウントが以下の基準を満たしている必要があります。
・これまでポリシーを遵守してきた実績があること
・これまでお支払いに関して問題が発生していないこと
・90 日以上の Google 広告のご利用実績があること
・ご利用金額が全期間で 5 万米ドルを超えていること(米ドル以外の通貨でアカウントを管理している広告主様のご利用金額は、その通貨の月別平均換算率により米ドルに換算されます)Googleポリシーヘルプ「カスタマーマッチ」
https://support.google.com/adspolicy/answer/6299717?hl=ja
またカスタマーマッチに使用するリストは最低でも1,000件以上のデータが必要です。
カスタマーマッチはGoogleアカウントに登録された情報とリストの情報を比較して配信対象とするかどうかを決めるため、1,000件のデータがあっても1,000人のGoogleアカウントにカスタマーマッチが適用されるわけではないことに注意しましょう。
カスタマーマッチを利用してみたい場合は、この要件を満たしているかどうか確認してみましょう。
カスタマーマッチを利用できるGoogle広告の種類は?
カスタマーマッチで利用できるGoogle広告は次の5種類です。
・検索広告
・ショッピング広告
・Gmail
・YouTube
・ディスプレイ広告
さまざまな方法で顧客にアプローチできるのがメリットと言えるでしょう。
■カスタマーマッチの設定方法について
カスタマーマッチを設定する方法をご紹介します。
①Google広告の管理画面から画面右上の「ツールと設定」共有ライブラリの中の「オーディエンスマネージャー」をクリック
②画面左側のメニューより「オーディエンスリスト」「+」「顧客リスト」をクリック
③書式なしデータファイルとハッシュ化データファイルのどちらをアップロードするかを選んで「ファイルを選択」をクリック
④「このデータはGoogleのポリシーに従って収集、共有しています」 のチェックボックスにチェックを入れ、必要に応じて有効期間を設定
⑤「リストをアップロードして作成」をクリック
カスタマーマッチは、ディスプレイキャンペーンへと直接設定することもできるため、その方法もご紹介します。
- カスタマーマッチを設定したい広告グループを選択して画面左側のメニューから「オーディエンス」をクリックする
- 「検索」「候補数」「閲覧」のタブが表示されるため「閲覧」を選択する
- 「顧客リスト」を選択してリストを選択し、保存する
顧客リストは個人情報のため、取り扱いには十分注意してカスタマーマッチの設定を行いましょう。
他の広告媒体で顧客リストを用いて広告を配信するには
Google広告以外でも、顧客リストを活用して広告配信を行うことができるので、概要を表にまとめてみました。
広告の種類 | 名称 | 概要 |
Yahoo!ディスプレイ広告 | データインポート機能 | ・インポートした顧客リストをYahoo!Japanの登録データと照合して広告配信に活用する ・リストの件数制限はないが200MBまでのデータとすること ・アップロードした顧客リストはダウンロードできない |
Facebook・Instagram広告 | カスタムオーディエンス | ・広告のターゲット設定オプションの1つで、FacebookやInstagramの利用者の中からリストを基に既存顧客や類似顧客に広告を配信する ・顧客リストを作る際テンプレートをダウンロードして活用できる |
Twitter広告 | リストのカスタムオーディエンス | ・顧客リストをTwitterのユーザー名とマッチして広告のターゲティングを行う ・リストは最大サイズ10GBまでのデータとすること ・マッチしたTwitterアカウントが100件未満の場合「オーディエンスが少なすぎます」とのエラーメッセージが出る |
LINE広告 | 類似配信 | ・コンバージョンした顧客やアップロードした顧客情報に似たユーザーをLINE内で新たに探して広告配信する ・類似度は1%~15%まで手動もしくは自動で設定可能 |
他の広告媒体でも顧客リストを活用して既存顧客や類似ユーザーに対して広告配信を行うことができるのは同じですが、アップロードできるファイルの大きさや細かい仕様の違いがあることがわかります。
活用したい場合は各広告媒体のヘルプに必ず目を通し、詳細を確認してからリストを準備するようにしましょう。
参考:Yahoo!広告「データインポート機能追加のお知らせ」
参考:Facebook広告ビジネスヘルプセンター「顧客リストからカスタムオーディエンスを作成する」
参考:Twitter広告ヘルプセンター「リストのカスタムオーディエンス」
カスタマーマッチの効果的な活用方法とは?
カスタマーマッチの効果的な活用方法を3つ考えてみました。
①新規顧客を増やしたいけれど、うまくターゲティングができていない場合
カスタマーマッチで作成したリストの類似機能を活用すれば、既存顧客に親しい属性のユーザーに広告を出稿することが可能です。
なかなか他のターゲティングでうまくいかない場合などでも既存顧客の情報を活用すれば精度の高いターゲティングが可能です。
②ブランディングをしたい場合
商品やサービスをブランディングして差別化を行いたい場合、既存顧客や類似顧客にカスタマーマッチで動画広告を配信し、商品やサービスについてのこだわりや品質の高さなどをアピールしてブランドの価値を高めることができます。
人はブランドの記号を価値と結びつけて判断するので、ロゴマークを表示するなど一目でそのブランドとわかるものを動画内に加え、ターゲット顧客の視覚に訴えるよう工夫しましょう。
③離脱防止をしたい場合
既存顧客の離脱が多く、売上が伸びないと感じている時にカスタマーマッチを使用してみましょう。
再購入を促したり、ライフステージの変化に合わせて起こる離脱を防いだりする効果が期待できるでしょう。
■まとめ
カスタマーマッチはGoogle広告の機能の1つで、既存顧客リストをアップロードすればその顧客だけではなく類似顧客にもさまざまな種類の広告を配信してくれる便利な機能であることがわかりました。
どのような商品やサービスを売る場合でも、新規顧客の開拓と既存顧客へのアプローチのバランスや方法について悩むことが多いですが、カスタマーマッチを使用すればこのような悩みは少し減らすことができると言えるのではないでしょうか。
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