ツァイガルニク効果とは?Webマーケティングに使える心理学
仕事をしていて今日は普段よりはかどったにもかかわらず、最後に電話連絡1件だけを明日に先送りしたため気になってしかたがないといった経験はないでしょうか。
これはツァイガルニク効果が働いているため、先送りした仕事が気にかかってしまうのです。
この記事ではツァイガルニク効果の内容からWebマーケティングでの効果的な活用法まで詳しく解説します。
■ツァイガルニク効果とは?
ツァイガルニク効果とは、人間が達成できなかった事柄や中断している事柄に対してより強い印象や記憶を持つという心理現象のことです。
本人が夢中で取り組んでいて完了間近な事柄ほど強く働くという特徴があります。
ドイツの心理学者クルト・レヴィン(Kurt Zadek Lewin)は「人は目標に向かっている時は緊張感が生まれるが、目標が達成されると緊張感は解消される」という仮説を立てました。
この仮説を基に1931年、ロシアの心理学者ブルーマ・ツァイガルニク(Bluma Wulfovna Zeigarnik )が実験を行いこれを実証したため、ツァイガルニク効果と名付けられたのです。
実験では被験者を2つのグループにわけて課題を与え、1つめのグループでは最後まで課題を完了させ、2つめのグループでは途中で次の課題へと移行させました。
全ての課題終了後、被験者全員に課題の内容はどのようなものだったかと質問をすると課題を完了させたグループより途中で移行したグループの方が課題内容を2倍覚えていたのです。
この実験結果から未完了な事柄は完了した事柄より強く印象に残ることがわかり、ツァイガルニク効果が実証されました。
■ツァイガルニク効果をWebマーケティングで活用する方法
ツァイガルニク効果をWebマーケティングで活用する方法を3つご紹介します。
読み物の1部を無料にする
最近はスマホやタブレット端末を活用して書籍や漫画を読む方が増えましたが、「一部無料」や「試し読み」などのサービスを使用した経験のある方は多いのではないでしょうか。
そしてそのサービスを利用した後、なんとなく購入手続きをして続きを読んだ方もいらっしゃるでしょう。
これは途中まで書籍や漫画に目を通してもらうことでターゲット顧客に「最後まで読みたい」「全巻揃えてどう完結するかを知りたい」という気持ちを引き起こさせ、購入意欲を高めているのです。
ツァイガルニク効果を上手に用いてコンバージョンへとつなげているよい事例と言えるでしょう。
キャッチコピーを工夫する
ツァイガルニク効果は上手に用いると、クリック率を上げるキャッチコピーやタイトル作りにも応用できます。
2種類の方法をご紹介します。
①一部分を伏せて全部を知りたいと思わせるタイトルを作る
例えば「私が2か月で15キロのダイエットに成功した〇〇法とは?」のように一部を伏せたタイトルをつけると、ツァイガルニク効果が働いてそのタイトルがつけられたブログやLPなどの詳細をクリックして読んでもらえるようになります。
ターゲット顧客が一番知りたい部分はどこなのかを見極めて伏せるのがコツです。
②ターゲット顧客に質問を投げかけるキャッチコピーを作る
次の2つのキャッチコピーを見比べてみてください。
「自宅で美味しいチョコレートケーキを焼く方法」
「果たして自宅でも美味しいチョコレートケーキは焼けるのか?」
このような場合2つめの方が投げかけられた質問に対する答えを知りたくなることから、クリック率は上がります。
「質問」に対する「答え」という続きがあるのを意識させることで、ツァイガルニク効果を働かせている事例です。
メルマガやSNSでは次回に期待させる
メルマガやSNSでもツァイガルニク効果を上手に使うとターゲット顧客に「次も読みたい」と感じてもらうことができます。
例えば読者やフォロワーに何か質問や問題を投げかけ、「解答は次回」と一旦区切ります。
そして次回の配信で解答の内容を明かすのです。
読者やフォロワーは質問や問題の解答が気になるためメルマガの開封率が上がったり、SNSの更新を楽しみに待ってくれたりするでしょう。
■まとめ
ツァイガルニク効果とは人間が途中で終わらせていることを気にかけてしまう心理現象なので、Webマーケティングでは敢えて途中までの印象をターゲット顧客に与えることで、その先に注目してもらえるように誘導するとうまく活用できることがわかりました。
出し惜しみをしすぎると逆にターゲット顧客の心を遠ざけてしまうので注意が必要ですが、高度な手法を必要としないので、比較的Webマーケティングでは使用しやすい心理効果と言えるのではないでしょうか。
ぜひ気軽に取り入れて、ターゲット顧客の注目を集めるコンテンツ作りに役立ててみてください。