プライミング効果とは?Webマーケティングに使える心理学
街を歩いていてふとカレーの匂いがしたり、家に帰ってテレビをつけたらカレーのCMが流れたりしていると、夕食にカレーが食べたくなった経験はありませんか?
これはプライミング効果が働いたことによるものです。
この記事ではプライミング効果とは何かからWebマーケティングでの活用法まで詳しく解説します。
■プライミング効果とは?
プライミング効果とは先行刺激(プライマー)が無意識に後続刺激(ターゲット)に影響を与えることを言います。
具体的には意志決定、感情、行動などに影響を及ぼすのです。
同志社大学講師のハワード・S・ダンフォードにより提唱されました。
プライミング効果は先行刺激(プライマー)と後続刺激(ターゲット)の関係から大きく2つにわけられます。
①直接プライミング
先行刺激(プライマー)と後続刺激(ターゲット)が同じ場合に起こるプライミング効果のことです。
日本酒の写真を先行刺激(プライマー)として提示し、「に〇〇んしゅ」の〇に入る文字を当てる穴埋め問題を後続刺激(ターゲット)として提示するなどが直接プライミングにあたります。
②間接プライミング
先行刺激(プライマー)と後続刺激(ターゲット)が異なるけれども関連している場合に起こるプライミング効果のことです。
10回クイズ(指定された単語やフレーズを10回言ってもらい、言い終わった後に問題を出して答えてもらうゲーム)などが間接プライミングにあたります。
■プライミング効果をWebマーケティングで活用する方法
プライミング効果をWebマーケティングで活用する方法を3つご紹介します。
アンケートで用いる
アンケートを行うことでプライミング効果をひきおこし、購買意欲を高める方法があります。
デパートの化粧品売り場でよく、アンケートに答えてくれた方を対象に新しい化粧品のサンプルを配布しているのを見かけないでしょうか?
これは売りたい商品やサービスに関連するアンケートにターゲット顧客が答えると、そのアンケートが先行刺激(プライマー)となり、化粧品を購入するという行動につながりやすくなるのです。
アンケートには「化粧品を使うことできれいになりたいと思いますか?」のようにターゲット顧客の行動に関する質問を混ぜておくとより効果的でしょう。
しつこく購入するように説得するとターゲット顧客は離脱してしまいますが、プライミング効果を利用すれば商品やサービスを連想させる情報提供を行えばよいだけなので離脱しにくくなると言えます。
またアンケートを取る時に予算感を尋ね、選択肢に高めの価格を混ぜておくとアンカリング効果でアップセル(売上単価の向上)も見込めるのです。
アンカリング効果についても詳しく知りたい方は、次の記事もごらんください。
アンカリング効果とは?Webマーケティングに使える心理学
自分の売りたい商品やサービスに価格設定をしてみたけれど、どうもお得感がないとターゲット顧客に感じさせてしまっているとお悩みの方はいらっしゃいませんか? ターゲット顧客の感じ方は価格の示し方を見直すことで変えられる可能性があるのです。 このような時に使える心理学を用いた手法、アンカリング効果について詳しく解説します。
キャンペーンで用いる
キャンペーンにプライミング効果を利用することで、より効果的にターゲット顧客の購入意欲を高めることができます。
例えば栄養価が高く健康維持に役立つ野菜ジュースを新商品として売り出したい場合、先行キャンペーンで健康を維持するには野菜を積極的に摂取した方がよいことを打ち出します。
するとターゲット顧客にこれが先行刺激(プライマー)として働くのです。
キャンペーンの後に野菜ジュースを「1本で1日に必要な食物繊維とビタミンが取れる野菜ジュース」といったキャッチコピーで売り出せば、野菜ジュースはターゲット顧客の目に留まりやすくなるでしょう。
SNSで用いる
SNSのちょっとしたやりとりの中でもプライミング効果を利用すれば、売りたい商品やサービスをアピールすることができます。
あらかじめ売りたい商品やサービスに関連性の高い内容をキーワードとしていくつか準備しておきます。
このキーワードはターゲット顧客とのやりとりの中で意識的に織り交ぜることによって先行刺激(プライマー)となるのです。
SNSでは直接ターゲット顧客とやりとりするためどうしても説得しようとしがちですが、このようなさりげない方法でアピールするとターゲット顧客の気分を害することなく、購買意欲だけを効果的に高めることができます。
■まとめ
プライミング効果は先行刺激(プライマー)が後続刺激(ターゲット)に影響を与えることで、Webマーケティングではターゲット顧客にしつこい売り込みと思わせずに売りたい商品やサービスをアピールできるとわかりました。
Webマーケティングでは相手の顔が見えない分、ターゲット顧客に対してつい何度も売り込みをしてしまったり、過剰にフォローをしてしまったりすることもあるでしょう。
しかしプライミング効果を活用すればターゲット顧客にアピールしているとは感じさせずに、自然な形で商品やサービスに注目してもらえます。
ぜひ積極的にWebマーケティングに取り入れてみてください。