PPM分析とは?Webマーケティングで覚えておきたい分析手法
自社が複数の事業を抱えているけれど、どの分野に経営資源を分配するのが効率的なのかわからずお困りの方はいらっしゃらないでしょうか。
そのような時に役立つのがPPM分析です。
この記事ではPPM分析とは何かから活用事例まで詳しく解説します。
■PPM分析とは?
PPM分析とは企業内での適切な経営資源配分を目的として行う分析手法のことです。
Product Portfolio Managementの頭文字をとってPPM分析と名付けられました。
複数の商品やサービスを販売したり、たくさんの事業を行ったりしている企業向けの分析手法です。
PPM分析では市場成長率と相対的マーケットシェアの2つを軸に、商品やサービス、事業を「花形製品」「金のなる木」「問題児」「負け犬」の4種類に分類します。
4つの分類について説明します。
①花型製品
花型製品とは市場成長率と相対的マーケットシェアが共に高い事業、商品やサービスを指します。
競争が激しいため多額の投資を必要としますが、利益は出やすい状態です。
②金のなる木
金のなる木とは市場成長率は低いけれど相対的マーケットシェアは高い事業、商品やサービスを指します。
今後の成長はあまり期待できないため積極的な投資は必要なく、安定した収益源となるのです。
③問題児
問題児とは市場成長率は高いけれど相対的マーケットシェアは低い事業、商品やサービスを言います。
積極的な投資が必要とされますが、利益が出しにくいため撤退や売却も視野に入れた方がよい状態です。
④負け犬
負け犬とは市場成長率、相対的マーケットシェア共に低い事業、商品やサービスを言います。
成長が見込めないため撤退や売却を行い、得られた経営資源を他の3つに分類されたものに再分配するのが望ましいでしょう。
■PPM分析を行うメリットとデメリット
PPM分析を行うデメリットを1つ、メリットを3つご紹介します。
PPM分析を行うデメリット
PPM分析のデメリットは市場成長率と相対的マーケットシェアという2つの財務指標を基に分析を行うため、事業の他の側面を汲み取った分析が行えないことです。
そのため、例えば新規事業の立ち上げについての分析などには向かないと言えるでしょう。
PPM分析を行うメリット
PPM分析を行うメリットの1つめは、経営資源を適切に分配できるようになることです。
新しい期を迎える前後はよく「ヒト・カネ・モノ」の争奪戦が各部署で起こるものですが、PPM分析を事前に行っていれば客観的な分析を基に適切な分配ができるでしょう。
メリットの2つめは各事業や商品、サービスの将来性を見極められることです。
PPM分析では事業や商品、サービスが現在市場の中でどのような状況に置かれているかがわかるので、将来性が見えやすいでしょう。
予算をかけて商品やサービスの売上を大きく伸ばしたいタイミングにPPM分析を行うと、結果をその取り組みの根拠として用いることができます。
メリットの3つめは各事業の撤退時期を判断できることです。
いくら経営資源を分配しても成長が見込めない事業、商品やサービスが明確に示されるので、撤退の判断を素早く行うことができるでしょう。
■ PPM分析を行う際の注意点
PPM分析を行う際に注意したい点を2つご紹介します。
1つめはデメリットの項目でも述べた通りPPM分析は市場成長率と相対的マーケットシェアという2つの財務指標を基にした分析方法なので、経営戦略を考える上では判断材料の1つとして捉えた方がよいことです。
例えば事業をいくつか行っていると相乗効果で売上が上がるということがありますが、PPM分析では負け犬の事業が他の事業に良い影響を与えていたとしてもそれは数値として表れてきません。
そのため経営戦略を立案する際はPPM分析の結果からだけではなく、他にもさまざまな視点から考える必要があります。
2つめは市場成長率がわかりにくい新規事業や商品、サービスの分析は難しいため、適切な分析の行える他の分析方法を用いるようにした方がよいことです。
他にも自社の経営資源の分析方法はいくつかあるため、次の記事も参考にしてみてください。
VRIO分析とは?Webマーケティングで覚えておきたい分析手法
上司から自社の強みを活かしたWebマーケティング戦略を考えてほしいと言われているけれど、何から手をつければよいかわからないとお悩みの方はいらっしゃいませんか? この記事では自社の経営資源や組織能力を分析するのに役立つVRIO分析について詳しく解説します。
■まとめ
PPM分析は企業内での適切な経営資源配分を目的として行う分析手法ですが、予算をかけて大きく売上を伸ばしたい商品やサービス、撤退した方が良い事業などが明確になるので経営戦略を考える上で1つの良い判断材料となることがわかりました。
経営を行う時思い入れのある事業や商品、サービスをついひいき目に見てしまい合理的な経営資源の配分を行えないのはよくあることです。
しかしPPM分析を適切に用いれば、客観的なデータを基に判断が行えるのでより効率的な経営へとつながるでしょう。
ぜひPPM分析を上手に活用してみてください。