松竹梅の法則とは?Webマーケティングに使える心理学
鰻を食べに行って「松:3,000円」「竹:2,500円」「梅:2,000円」というメニューを見せられた時、あなたはどの鰻を選びますか?
この場合、なんとなく真ん中の価格である「竹」の鰻を選ぶ方は多いのではないでしょうか。
3つの価格を見せられると真ん中を選びやすくなる「松竹梅の法則」とは何かを詳しく説明します。
- 目次
- ■松竹梅の法則とは?
- ■松竹梅の法則が働く理由とは?
- ■松竹梅の法則をWebマーケティングで活用する方法
- 商品表示の方法に用いる
- 売れやすい価格設定にする
- LPで価格表示する際は縦に配置する
- ■まとめ
■松竹梅の法則とは?
松竹梅の法則とは3段階の選択肢があった場合に真ん中を選ぶ心理効果です。
おおまかに「松2:竹5:梅3」の割合で選ばれると言われています。
日本では鰻屋さんやお寿司屋さんなどが価格帯を「松竹梅」の3段階でわけていたことから松竹梅の法則と呼ばれるようになりました。
欧米では「3匹の熊」という童話に出てくるゴルディロックスという少女が「中ぐらいの椅子に座り、中ぐらいのお皿のスープを飲み、中ぐらいのベッドで寝る」ことから極端の回避性が働いたという意味で「ゴルディロックス効果」と呼ばれます。
■松竹梅の法則が働く理由とは?
それではなぜ松竹梅の法則が働くのか、理由を2つご紹介します。
1つめの理由はアンカリング効果が働くためです。
アンカリング効果とは最初に持たされた先入観に基づいて物事を判断してしまう心理効果を言います。
選択肢が3つある場合竹=アンカー=基準価格となるためそこから松を高い、梅を安いと判断して竹を選びやすくなるという仕組みです。
アンカリング効果についてもっと詳しく知りたい方は、次の記事もごらんください。
2つめの理由は代表性ヒューリスティックが働くためです。
代表性ヒューリスティックとは典型的な事例に基づき、それを他の事例にも当てはめて直観的に判断することを言います。
松竹梅の法則では松=高額商品、竹=中ぐらいの価格の商品、梅=低価格商品のため、直観的に竹を無難な価格と判断して選択しやすくなるということです。
■松竹梅の法則をWebマーケティングで活用する方法
松竹梅の法則の内容をご理解いただいたところで、松竹梅の法則をWebマーケティングで活用する方法を3つご紹介します。
商品表示の方法に用いる
ターゲット顧客が商品やサービスの選択に迷わないようにするためには、松竹梅の法則を意識した商品表示を行うのが有効です。
具体的には上位の商品やサービスには下位の商品やサービスの機能や内容を全て含めた表示を行うのです。
例えばスパゲッティの専門店に入店した時、次のような表示のメニューを見たことはありませんか?
①うに・いくら・イカのクリームスパゲッティ 1,500円
②いくら・イカのクリームスパゲッティ 1,000円
③イカのクリームスパゲッティ 900円
上位のメニューには下位メニューに入っている食材が全て含まれています。
このようなメニュー表示を行うとターゲット顧客が悩む要素を減らすことができるので、スムーズに選択してもらえるという仕組みです。
売れやすい価格設定にする
松竹梅の法則を使用すると真ん中の竹の価格で商品やサービスをターゲット顧客に販売するのに有効ですが、松竹梅の価格差をそれぞれどのくらいにすればよいのかについては諸説あります。
ただいずれの説においても松と竹の価格差よりも竹と梅の価格差を小さくして価格設定を行うのがポイントです。
理由はターゲット顧客に「梅の価格に少し足せば上位の竹が手に入る」と思ってもらうことができるからです。
同時に松との価格が離れていることでウェブレン効果が働き、高額商品やサービスを求めるターゲット顧客にもアピールすることができます。
LPで価格表示する際は縦に配置する
LPで価格表示をする際にも松竹梅の法則を用いると、ターゲット顧客にスムーズに商品やサービスを選択してもらえます。
価格の表示を高い方から順番に、縦に配置するのです。
これはターゲット顧客が無意識のうちに視覚から上に配置された価格を「高い」下に配置された価格ほど「安い」と判断するためこの配置が望ましいのです。
横並びの価格では価格差は書かれた金額からしか判断できないため、ターゲット顧客の決断を後押しできません。
ターゲット顧客の購入意欲を高めるようなLPを作りたい方は、この価格表示方法を試してみましょう。
■まとめ
松竹梅の法則はターゲット顧客の決断の後押しや売りたい商品やサービスへの購入意欲を高めてもらうなど、マーケティングのさまざまな場で便利に活用できる心理効果だとわかりました。
実店舗でもWebマーケティングでも使うことができるので、両方の売上を上げたいと感じている方はぜひ積極的に活用してみてはいかがでしょうか。