スリーパー効果とは?Webマーケティングに使える心理学
ターゲット顧客を説得しなければならない時、なかなか説得に応じてもらえなくて困ることはありませんか?
その悩みはもしかしたらある程度時間をかけることで解決できるかもしれません。
この記事では上手な説得にかかわるスリーパー効果について詳しく解説します。
■スリーパー効果とは?
スリーパー効果とは、信頼のおけない情報源から得た情報でも時間の経過とともに情報の信頼性と情報源の信頼性が切り離され、情報の信頼性が高まっていく心理現象です。
1940年代にアメリカの心理学者カール・ホブランドによって提唱されました。
カール・ホブランドの実験では米軍兵士たちを被験者としてフランク・キャプラ監督によるプロパガンダ映画のシリーズ「Why We Fight(なぜ我々は戦うのか)」を観てもらいました。
戦争を積極的に煽る内容だったため、上映直後に兵士たちには変化は見られませんでしたが9週間後に再度調査したところ、兵士たちは約50%の内容を忘れたものの映画のメッセージを肯定的に捉えるように変化していたのです。
現在情報源の信頼性は、約1か月で薄れていくことがわかっています。
■スリーパー効果をWebマーケティングで活用する方法
スリーパー効果をWebマーケティングで活用する方法を3つご紹介します。
ステップメールで活用する
ステップメールとはあらかじめ準備した内容を決められた期間・タイミングで配信する複数のメールのことです。
ターゲット顧客が最初はステップメール内の情報に対して信頼性が低いと感じていたとしても、配信期間内はメールが届くため少しずつスリーパー効果が働き始めます。
またもっと効果的にスリーパー効果を働かせたいのなら、ステップメールの配信期間を情報源の信頼性が薄れる1か月を目安にするのがよいのではないでしょうか。
スリーパー効果が効いた1か月のタイミングで売り込みをかけると、購入意欲を高めてコンバージョンにもつながりやすいでしょう。
ステップメールでターゲット顧客との接触頻度が増えれば、ザイオンス効果も期待できます。
ザイオンス効果について詳しく知りたい方は、次の記事もごらんください。
ザイオンス効果とは?Webマーケティングに使える心理学
最初は少し印象が良いと感じていた人が、会う機会が多く回数を重ねるうちに親しい間柄になっていたという経験はありませんか? これはザイオンス効果によって少しずつ相手への印象が良い方向性に変わった事例です。 この記事では自分の印象を良くすることやWebマーケティングに活用できる、ザイオンス効果について詳しく解説します。
コンテンツ作成に活用する
スリーパー効果はブログなどのコンテンツ作成にも活用できます。
コンテンツを作成し始めた当初はまだターゲット顧客との接触頻度も低く、コンテンツの内容に対する信頼性も高いとは言えないでしょう。
そのためスリーパー効果が効く1か月までの間は少しがんばって更新頻度を高める必要があります。
毎日更新を目標とし、遅くとも2日に1回が更新するのが望ましいでしょう。
最初は手間がかかりますがターゲット顧客の信頼性が高まり、会社の実績があまりなかったとしても商品やサービスを購入してくれる可能性が増えます。
SNS発信に活用する
スリーパー効果はSNSでの発信にも効果を発揮します。
最初はターゲット顧客とのやりとりの中で意識的に売りたい商品やサービスをキーワードとして繰り返し伝えてみましょう。
これはターゲット顧客にとってキーワードが記憶の手がかりとなることが狙いです。
次にキーワードについて内容が同じでも、表現を変えて何度か伝えてみましょう。
表現を変える理由は2つあり、1つめはターゲット顧客にしつこいと感じさせないようにするためです。
スリーパー効果を働かせるためにターゲット顧客と接するのはよいのですが、それで良くない印象を持たれてしまったのでは意味がありません。
2つめは表現を変えることでターゲット顧客への説得力が増すからです。
SNSでのやりとりでキーワードへのポジティブな印象をターゲット顧客の記憶に残すことができれば、後はスリーパー効果が働きます。
スリーパー効果が効いた1か月のタイミングで売り込みをかけてみると、コンバージョン率も上がるでしょう。
■まとめ
スリーパー効果は情報源の信頼性と情報の信頼性が1か月ほどかけて切り離される心理効果のため、Webマーケティングでは時間をかけてターゲット顧客に売り込みをかけたい場合に活用できるとわかりました。
商品やサービスを売り込んだり、ターゲット顧客の購買意欲を高めたりするのに一生懸命になるのはよいことですが、ターゲット顧客にネガティブなイメージを持たれないようにすることはとても重要です。
その点スリーパー効果を用いると集中して売り込みをかける時期は1か月後とはっきり意識できるので、それまでは情報提供を丁寧に行うなどターゲット顧客との良い関係を維持するのに終始できるでしょう。
ぜひ積極的に活用して、コンバージョン率のアップに役立ててください。