ラポール形成とは?Webマーケティングに使える心理学
ビジネスでつきあい自体は長いけれど、いまいちコミュニケーションが深まらないお客様に対してどのように接すればよいか悩むことはありませんか?
この問題の解決のヒントになるのがラポール形成です。
この記事ではラポール形成とは何かからWebマーケティングでの活用方法まで説明します。
■ラポール形成とは?
ラポール形成とは信頼関係が構築された状態を意味し、フランス語のrapport(架け橋)に由来します。
元々はクライアントとカウンセラーとの間の関係を示す言葉として用いられていました。
ラポール形成には次の3つの要素が必要だと言われています。
①受容的な態度
相手に対して賛成も反対もせず、あるがまま受け入れるという態度を指します。
②尊重
相手が大切に思っている価値観や物事を把握してそれに敬意を払い、肯定的な感情で受け止めることです。
③類似性
相手に警戒心を抱かせないよう、自分との間に共通点を見出せるように振る舞います。
この時に役立つのがバックトラッキング、ミラーリング、ペーシングの手法です。
■ラポール形成を意識したWebマーケティングの方法
ターゲット顧客とのラポール形成を意識することで、Webマーケティングに効果を発揮する事例を3つご紹介します。
SNSでのやりとりに活用する
SNSを通じて初めてやりとりするお客様には、ラポール形成を意識したコミュニケーションを心がけてみましょう。
最初はお客様が何か商品やサービスについて知りたいことを質問する形で会話が始まるかもしれません。
しかしそれに回答するだけではなく、お客様に対して1つ質問を投げかけてみましょう。
例えばこのような、簡単な質問でよいのです。
「どうして商品やサービスに興味を持ってくださったのですか?」
「どこで商品やサービスを知ったのですか?」
これだけでもお客様は自分に興味を持ってくれていると感じ、ラポール形成しやすくなります。
キャッチコピーに活用する
キャッチコピーを作る際にも、ラポール形成を意識するとよいでしょう。
例えば何か商品やサービスを売りたいと考えた時、ペルソナ(架空の顧客像)を設定することは多いのではないでしょうか。
このペルソナをターゲット顧客とした時、どのような言葉使いをすれば興味を持ってもらえるかを考えてキャッチコピーに落とし込むとよいのです。
例えばLINEでのコミュニケーションが当たり前の10代の女性がペルソナだとしたら、「メール」という言葉をキャッチコピーに用いてもあまり興味は持ってもらえないでしょう。
しかし職場でメールでのやりとりをたくさん経験している40代の男性ビジネスマンがペルソナだとしたら、「メール」という言葉に興味を持ってもらえる可能性は高くなります。
このように、ターゲット顧客が良く使いそうな言葉を意識的にキャッチコピーに使用するだけでラポール形成が行われ、その後の説明文も読んでもらいやすくなるのです。
提案に活用する
ターゲット顧客とラポール形成をするためには、相手の話をたくさん傾聴(相手の話を否定せず共感しながら聴くこと)しなければなりません。
そのため相手の表面的な問題や悩みではなく、本質的な問題や悩みを聴き出すことができるのです。
これをWebマーケティングに置き換えると、ラポール形成をきっかけにターゲット顧客が本当に解決したい問題は何かをつきとめてから提案できることになります。
ターゲット顧客の本質的な問題を解決する提案ができれば、リピートなどの先が見えてきます。
ラポール形成を意識しながら、じっくりとターゲット顧客の話を傾聴してみましょう。
他にもWebマーケティングに使える心理学について広く知りたい方は次の記事もごらんください。
Webマーケティングで役に立つ!知っておきたい心理学用語
Webマーケティングの担当になったけれど、どうもターゲット顧客のニーズをつかみ切れていない気がするとお悩みの方はいらっしゃいませんか? そのような時に問題解決の糸口となるのが心理学です。 ターゲット顧客の行動の理由を把握し、より自分の商品やサービスを効率よくアピールするために知っておきたい心理学用語を解説します。
■まとめ
ラポール形成は元々クライアントとカウンセラーの間の信頼構築を表す言葉でしたが、今ではWebマーケティングやビジネスの場でさまざまに応用されるようになりました。
どんなに質の良い商品やサービスでも、ターゲット顧客の間に信頼関係が築かれていなければそれを受け入れてもらうことはできません。
また社内の人間関係においても信頼関係がなければ、よいビジネスを一緒に創り上げていくことは難しいでしょう。
これらのことから一方的ではない、相手を尊重するコミュニケーションを大切にしていけば周囲の人たちと自然にラポール形成され、ビジネスが良い方向へと進んでいくと言えます。
最初は取り組むのが難しいかもしれませんが、相手をあるがままに受け入れ尊重するという気持ちを持つだけでも周囲との関係は変化してくるのです。
ぜひ周囲の人たちとの暖かい関係を基に、ビジネスを成功させていってください。