心理的リアクタンスとは?Webマーケティングに使える心理学
テスト前で勉強をしなければならないのはわかっていたのに、両親から勉強するよう言われた途端にやる気を失った経験はありませんか?
これは心理的リアクタンスが働いたため起こる出来事です。
この記事では心理的リアクタンスとは何かからWebマーケティングでの上手な活用方法まで詳しく説明します。
■心理的リアクタンスとは?
心理的リアクタンスとは人間が行動の自由を妨げられた時、自由を回復しようと反発する心理作用のことです。
1966年にアメリカの心理学者ジャック・ブレームにより提唱されました。
心理的リアクタンスが起こる原因は、人間に自分の思考や行動は自分で決めたいという欲求が備わっているからだと考えられます。
心理的リアクタンスは、自由を妨げることが例え自分にとってプラスになる状況でも起こるのが特徴的と言えるでしょう。
心理的リアクタンスの1種であるカリギュラ効果についても知りたい方は、次の記事もごらんください。
カリギュラ効果とは?Webマーケティングに使える心理学
Webマーケティングや営業を行う中で、よりターゲットを絞って効率的な動きをしたいと感じたことはありませんか? このような時に役に立つのがカリギュラ効果です。 この記事ではカリギュラ効果の意味から活用方法まで詳しく説明します。
■心理的リアクタンスをWebマーケティングで活用する方法
次に心理的リアクタンスをWebマーケティングで活用する方法を3つご紹介します。
説得を1度やめてみる
SNSなどでターゲット顧客とのやりとりをする時、商品やサービスの良さを熱心にアピールするほど逃げられてしまった経験はありませんか?
これは説得した内容に対して心理的リアクタンスが働いたために起こる現象です。
説得自体は良くないことではありませんが、ターゲット顧客がそれを一方的だと感じると逆に購入意欲を下げてしまいます。
このようなことを引き起こさないためには、ターゲット顧客の判断の自由を尊重しながらコミュニケーションをする姿勢が大切です。
ターゲット顧客が購入を迷っていると感じたタイミングで一度説得をやめ、ターゲット顧客のニーズをヒアリングしたり、商品やサービスについて情報提供をしたりすることで関係深化に努めましょう。
SNSではターゲット顧客とのやりとりのスピードが速くなるためついあせって説得してしまいがちですが、ターゲット顧客のペースに合わせる心のゆとりを忘れてはいけないということです。
品薄をアピールする
心理的リアクタンスを用いたWebマーケティングの手法の1つとして、品薄をアピールするという方法があります。
ファッション系のECサイトなどで、商品の説明ページに「残りあと何点」という表示を見かけた経験のある方はたくさんいらっしゃるでしょう。
これはターゲット顧客に品薄をアピールすることによって商品を購入するという自由を阻害されていると感じさせ、心理的リアクタンスを引き起こすのを目的としています。
ターゲット顧客は商品やサービスを購入する自由が奪われたと感じるとそれに反発し、購入意欲が高まるためコンバージョンに結び付きやすくなるのです。
もし売りたい商品やサービスのコンバージョン率が低いと感じたら、品薄を積極的にアピールしてみてはいかがでしょうか。
前提条件に断りを持ってくる
ダイエットを目的とする商品やサービスのLPではよく「ダイエットで結果を出す意欲のない方はこちらからお断りさせていただきます」といったキャッチコピーを見かけます。
これは前提条件として断りを入れ、ターゲット顧客に心理的リアクタンスを起こさせるのを目的としているのです。
前提条件として断りを入れると、ターゲット顧客は申込をする自由を阻害されたと感じ逆に購入意欲を高めるのです。
この方法は購入意欲を高めるという効果もありますが、同時にターゲット顧客に対してラベリングも行っているため優良な顧客だけを集めたい場合にも有効だと言えるでしょう。
コンバージョンにつながるような効果的なLPを作成したい方は心理的リアクタンスを意識してみることがおすすめです。
■まとめ
心理的リアクタンスは自由を阻害されたと感じるとそれに反発する心理作用ですが、ターゲット顧客に対して積極的にアピールし続けなくてもさりげなく購入意欲を高めて背中を押すことができるので、Webマーケティングでは活用しやすい心理効果だとわかりました。
ターゲット顧客はしつこくアピールされて購入したのと、自分の決断で納得の上購入したのとでは感情的な満足度合いが全く異なります。
そのためターゲット顧客にリピート買いをして長く商品やサービスを使い続けてほしいなら、感情的に満足する買い方をしてもらう必要があるということです。
心理的リアクタンスの知識を持てば、よりターゲット顧客の感情に配慮したWebマーケティング施策を行うことができるようになるでしょう。
ぜひ積極的に活用し、ターゲット顧客の満足度を高めるWebマーケティングを行ってください。