オーバーハード効果とは?Webマーケティングに使える心理学
電車の中で知らない人同士が「あるお店のおせんべいがとても美味しい」といった口コミ情報を話しているのを偶然耳にしたところ、そのおせんべいをなぜか買いたくなったという経験はありませんか?
これはオーバーハード効果が働いたことによるものです。
この記事ではオーバーハード効果とは何かからWebマーケティングでの効果的な活用法まで詳しく解説します。
- 目次
- ■オーバーハード効果とは?
- ■オーバーハード効果を用いた実験について
- ■オーバーハード効果をWebマーケティングで活用する方法
- 特定のキーワードを用いてSNSでやりとりする
- インタビュー形式の記事でアピールする
- オーバーハード効果をWebマーケティングで活用する時の注意点
- ■まとめ
■オーバーハード効果とは?
オーバーハード効果とは漏れ聴き効果とも呼ばれ、人間は自分と利害のない第三者同志の話を偶然耳にするとその内容に影響されやすいという心理効果を言います。
1962年にアメリカの心理学者であるウォルスターとフェスティンガーによって提唱されました。
オーバーハード効果が生じる原因としては、直接口コミを聴いた場合は警戒心が生じてその内容に反発を招くこともありますが、偶然耳にした口コミにはそのような警戒心が働かないためという説が有力だとされています。
■オーバーハード効果を用いた実験について
オーバーハード効果を実験で証明したのが、カナダにあるカルガリー大学の心理学者、デビット・ジョーンズです。
デビット・ジョーンズは電話帳を引いて名前を調べる実験と称して被験者を集め、待合室に待機してもらいました。
そしてサクラを2名まぎれこませ、他の人にどうにか聞こえる程度の大きさの声で「この実験はおもしろいらしいよ」とうわさ話をさせたのです。
実際に電話帳を引いて名前を調べる実験を行った後、被験者に感想を聴くと「実験はおもしろかった」との回答でした。
最初のうわさ話を「この実験はつまらないらしいよ」と内容を変えて再度実験を行ったところ、被験者たちは「実験はつまらなかった」と回答したため、人間は偶然漏れ聞いたうわさ話に影響されやすいことがわかったのです。
■オーバーハード効果をWebマーケティングで活用する方法
オーバーハード効果についてご理解いただいたところで、次はオーバーハード効果をWebマーケティングで活用する方法を2つご紹介します。
特定のキーワードを用いてSNSでやりとりする
実店舗でのマーケティングで商品やサービスについての口コミをターゲット顧客向けに「漏れ聞かせる」というのはなかなか難しいことではないでしょうか。
しかしWebマーケティングでは比較的容易にこれができるのです。
例えばSNSで顧客からの質問に答える時に、自分の売りたい商品やサービスをキーワードとして混ぜながら話をすれば、そのやりとりはそのキーワードで検索をかけた第三者からすると「漏れ聞いた」状態になります。
オーバーハード効果は検索をかけた第三者がそのキーワードに対して強く関心を持っているほど有効なので、SNSで顧客とやりとりする際に少しキーワードを意識して行うようにしてみましょう。
新規顧客開拓に意外な効果を発揮するかもしれません。
インタビュー形式の記事でアピールする
Webサイトではよく、著名人がインタビュアーに対して商品やサービスの使用感や感想を語っている記事を見かけます。
見た目からつい読み物として捉えてしまうため、LPなどとは違いあまり強くセールスをされているという印象はないのですが、これもオーバーハード効果を期待してのことです。
これは著名人がインタビュアーに対して一生懸命良い口コミをしているのを、第三者である読み手が「漏れ聞いた」状態を意図的に作り出していると言えるでしょう。
オーバーハード効果をWebマーケティングで活用する時の注意点
オーバーハード効果をWebマーケティングで活用する場合に注意したいことは、口コミが信頼できる情報でなければならないということです。
権威への服従原理を利用して、専門性の高い人に口コミをしてもらうのもよいでしょう。
権威への服従原理について詳しく知りたい方は、次の記事もごらんください。
■まとめ
オーバーハード効果は利害関係のない第三者同士の話を漏れ聞くとその話を信用してしまうという心理効果ですが、Webマーケティングではターゲット顧客の購買意欲を高めるのに効果的だとわかりました。
直接ターゲット顧客に強くセールスするわけではないので、しつこいと思われてしまうこともなくWebマーケティング初心者の方でも取り組みやすいのではないでしょうか。
ぜひ積極的に活用して新規顧客にアピールし、自分の売りたい商品やサービスのファンをたくさん増やしてみてください。