ロジックツリーとは?~論理的に問題解決をする近道~
仕事の問題を解決しようと考え事を始めたのはよいけれど、時間が経つに従って袋小路にさまよいこんだ経験はありませんか?
そのようなことが起こらないようにすっきりと頭を整理するための手法がロジックツリーです。
この記事ではロジックツリーとは何かから仕事での活用法まで詳しく解説します。
■ロジックツリーとは?
ロジックツリーとは問題の要因を階層別に分解して整理し、原因や解決策を探すためのフレームワークです。
論理的に(Logic)考えるために樹木(Tree)状に分解することから、ロジックツリー(Logic Tree)と呼ばれ、5階層以上深く掘り下げるとより良い分析ができると言われています。
ロジックツリーにおいて5階層まで掘り下げると、1つの問題に対して62個(2+4+8+16+32)の項目が出てくるため、それだけ深く分析できるとされているのです。
■ロジックツリーの種類とは?
それではロジックツリーの種類にはどのようなものがあるのでしょうか。
ロジックツリーには目的に応じてさまざまな種類がありますが、代表的なものを3つご紹介します。
①whatツリー
課題を構成する要素は「何」なのかを分解して理解するためのロジックツリーです。
項目には名詞で回答できるものを当てはめていきます。
②whyツリー
問題の根本的な原因を探るためのロジックツリーです。
項目には問題がなぜ起きたのかを書いていきます。
③Howツリー
問題の解決策を見つけるためのロジックツリーです。
項目にはどうすれば解決できるのかを挙げていきます。
何か解決したい問題が起こった時は、What→Why→Howの順で作成すると問題が解決しやすくなるでしょう。
■ロジックツリー作成時の注意点
ロジックツリーを作成する時の注意点を5つご紹介します。
①MECEであること
MECEとは、Mutually(お互いに)、Exclusive(重複せず)、Collectively(全体に)、Exhaustive(漏れがない)の頭文字を取った言葉で、「漏れなく、ダブりなく」という意味です。
ロジックツリーを作成する時は漏れやダブりがないよう意識することが必要と言えます。
例えばある問題について年代別にロジックツリーを展開する時に、40代が抜けていたり80代と90代は数が少ないため一緒にしたりなどの対応はMECEになっていないということです。
MECEについてもっと詳しく知りたい方は、次の記事もごらんください。
②左から右に伸ばしていくこと
ロジックツリーは問題の原因や解決策を探るのが目的なので、左から右に展開するに従って抽象的なことから具体的なことを書き込んでいく必要があります。
この時右に行くにしたがって「To Do」を意識すると後で行動につなげやすくなります。
③仮説を立てること
要素を分解する時どのような切り口で分解するか迷うかもしれませんが、このような時に役立つのが仮説を立てることです。
例えば介護施設で事故を減らしたい時仮説なしでは何から分解していけばよいか迷いますが、「見守りをしているがどこかに抜けがあるのではないか」と仮説を立てると現状の見守りについての要素から分解していくことができます。
④問題定義を明確にしておくこと
そもそも問題定義を明確にしておかないとロジックツリーでは的確な原因や解決策を導き出せません。
例えばコストが高いという認識がありそれを解決したいなら、前年比何%減らすのが望ましいのか、どのコストを削減しようと思っているのかなど問題を具体化しておくことが必要です。
⑤同じ階層の粒度・具体性・分類する基準を揃えること
同じ階層については粒度・具体性・分類する基準を揃えていないと比較検討しにくくなり、正しい原因の追究や適切な解決策の選択につなげられません。
■ロジックツリーを作成するメリット、デメリット
ロジックツリーを作成するメリットを3つ、デメリットを1つご紹介します。
デメリットは実現度の低い解決策が導き出される可能性もあるということです。
運用上、本当にできることだけで要素分解していくなどの工夫が必要かもしれません。
メリットは次の3点です。
・問題定義を明確にするため議論のずれが発見しやすくなること
・解決できるアクションが顕在化するため優先順位をつけやすくなること
・チームで取り掛かる問題の場合問題やアクションを可視化し共有できるため全体が動かしやすくなること
ロジックツリーを使用することで問題の解決策を行動につなげやすくなっているのが特徴的と言えるでしょう。
■まとめ
ロジックツリーは問題の要因を階層別に分解して原因や解決策を探すためのフレームワークですが、問題定義から解決するための過程、結論まで可視化されるため身の回りの簡単な課題から仕事の課題まで幅広く解決に活用できることがわかりました。
ロジックツリーを用いてさまざまな問題に積極的に取り組む行動を意識づけてみてはいかがでしょうか。