コンコルド効果(サンクコスト効果)とは?Webマーケティングに使える心理学
かなり前に気に入って購入したものの一度も袖を通さずいつかは着るだろうとしまいこみ、断捨離できない洋服はありませんか?
このような洋服が大量にあってもなかなか断捨離できないのは、コンコルド効果が働いているためです。
この記事ではコンコルド効果とは何かからWebマーケティングでの上手な活用法まで詳しく解説します。
■コンコルド効果とは?
コンコルド効果とは認知バイアスの1つでサンクコスト効果とも呼ばれ、ある物に対して時間・金銭・努力などを投資している時、このまま続けると損失が出るとわかっているのにそれまでの投資を惜しいと感じて、投資を継続してしまう心理現象のことです。
1962年にイギリスとフランスが世界初の超音速旅客機「コンコルド」の共同開発を行いました。
始めは世界各国から100機ほどの注文がありましたが、開発費の高さや乗客定員数の少なさから途中で試算し直してみたところ、すぐに開発を中止して旅客機会社に違約金と賠償金を支払った方が安く済むという結果が出たのです。
しかし投入した予算を惜しみ開発を続けたところ、4000億円の開発費用に対し数兆円もの赤字を出す結果となってしまいました。
このことを由来として、損をするとわかっていながら投資を続けることをコンコルド効果と呼ぶようになったのです。
■コンコルド効果をWebマーケティングで活用する方法
Webマーケティングでコンコルド効果を活用するための方法を3つご紹介します。
不確定要素のある商品やサービスを投入する
不確定要素のある商品やサービスを投入することでコンコルド効果を働かせ、購入意欲を高めることができます。
例えばソーシャルゲームの課金ガチャやUFOキャッチャーでは、欲しい商品があっても確実に購入することはできません。
するとターゲット顧客はこの不確定要素により、今まで課金したお金がもったいないという気持ちとどうしてもその商品がほしい気持ちから手に入れるまで課金を続けてしまうのです。
また課金ガチャの対象やUFOキャッチャーの景品がシリーズ商品の場合、1つ商品を購入できるとディドロ効果が働きコンプリートしたいという気持ちをターゲット顧客に起こさせるので、さらに効果的だと言えるでしょう。
ディドロ効果についても詳しく知りたい方は、次の記事もごらんください。
ディドロ効果とは?Webマーケティングに使える心理学
憧れの商品を手に入れて1点豪華主義にしようと心に決めていたのに、いつのまにかそれに合う商品を取り揃えたくなって困った経験を持つ方はいらっしゃいませんか? この一貫性を持たせたい心理を活用することで売上アップやリピーターを増やすことにつながるディドロ効果について詳しく解説します。
スタンプカードを配布する
スタンプカードを配布し、スタンプを貯めたら割引クーポンなどの特典がもらえるようにするのもコンコルド効果が働き、ターゲット顧客の購入意欲を高めるのにつながります。
ターゲット顧客はある程度スタンプを貯め続けると、ここまでスタンプを貯めたのだから今購入を止めてしまうと特典がもらえなくなりもったいないと感じ始めます。
そのため特典をもらえるというゴールまでリピート買いをし続けてしまうのです。
「シールを集めて特典がもらえる」なども同じ意味を持つので、売りたい商品やサービスのリピート率があまり良くないと感じた時に試してみましょう。
タイムセールを行う
タイムセールもコンコルド効果を利用したWebマーケティング戦略の1つです。
時間内にほしい商品やサービスを手に入れなければ安くならないため、ターゲット顧客は買っておかないともったいないという気持ちになります。
このことからクロスセルも狙えるでしょう。
新規顧客と既存顧客のどちらをターゲットとするのか、タイムセールを行う時期はどうするか、また主力商品や主力サービスはタイムセールの対象からは外すことなどを心がけるとさらに売上アップを見込めます。
在庫一掃をしたい時やもう少し購入率を向上させたい時などに行うと効果的なのではないでしょうか。
■まとめ
コンコルド効果は認知バイアスの1つで、ある物に対して損失が出るとわかっているのに投資を続けてしまうことなので、Webマーケティングではネガティブな意味に捉えられがちであることがわかりました。
しかしリピート買いやクロスセルにつながる効果があるなど、ターゲット顧客と長く良い関係を築くきっかけとなる場合があるので、ポジティブに働かせることも不可能ではありません。
その証拠にキャッシュバック、一定の金額以上の購入で送料無料、会員特典などWebマーケティングの世界ではコンコルド効果を用いた手法があふれかえっています。
コンコルド効果はターゲット顧客に喜んでもらえるように活用することで、より多くの売上につなげることができるのではないでしょうか。
ぜひ積極的に活用して、自分の売りたい商品やサービスの購入率アップを目指してみてください。