ビジネスモデルキャンバスで、ビジネスモデルを可視化しよう!
新規事業のビジネスモデルについて説明を行わなければいけないけれど、どうもわかりやすい形に仕上がらないとお悩みの方はいらっしゃいませんか?
このような時に役立つのがビジネスモデルキャンバスです。
この記事ではビジネスモデルキャンバスとは何かから効果的な活用法まで詳しく解説します。
■ビジネスモデルキャンバスとは?
ビジネスモデルキャンバスとはビジネスの構造を9つの要素に分類して可視化し、ビジネスモデルを作成することを目的としたフレームワークです。
ビジネスモデルキャンバスは、日本では2012年に「ビジネスモデル・ジェネレーション ビジネスモデル設計書」(アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュール著)という本で紹介されたのをきっかけに広まっていきました。
ビジネスモデルの全体像をつかみやすく、現状の確認や共有にも使いやすいのが特徴的と言えるでしょう。
ビジネスモデルキャンバスの画像の中に青で示された部分は組織体制やマネジメント、赤で示された部分はビジネスモデルの中核である価値提案を中心にマーケティング、緑で示された部分は収益・コスト構造をそれぞれ表します。
これら全てを合わせてビジネスモデルの全体像となるのです。
他にも新規事業を立ち上げる時に役立つ手法について知りたい方は、次の記事もごらんください。
■ビジネスモデルキャンバスの9つの要素について
それではビジネスモデルキャンバスは具体的にどこから書き始めればよいのでしょうか。
わかるところや書きやすいところから始めればよいのですが、おすすめの順番とそれぞれの要素の意味を解説します。
①ビジネスモデルの軸を決める「価値提案」「顧客セグメント」「主要活動」から記載する
価値提案とはターゲット顧客のどのような悩みを解決に導くか、それはターゲット顧客にとってどのような価値をもたらすかを指します。
ターゲット顧客が自社の商品やサービスを選択する理由ともなるため、既に存在する商品やサービスの下位互換にならないようにしましょう。
顧客セグメントとはターゲット顧客が誰かを指します。
法人や個人、属性や課題で定義づける場合もあるでしょう。
主要活動とは事業をスムーズに進めるために必要な活動のことです。
この3つを記載することで自社ではどのような商品やサービスでどんな価値をターゲット顧客に与えるかがわかるので、ビジネスモデルのおおまかなイメージが湧くでしょう。
②既に決まっている項目を記載する
活用できるチャネルがあるなら「チャネル」、強みになる技術があるなら「キーリソース」、ビジネスの協力者がいるなら「キーパートナー」が比較的記載しやすいのではないでしょうか。
③埋めた項目と関連して考えることのできる項目を記載する
「顧客との関係性」は「顧客セグメント」と「価値提案」から顧客満足度や利便性を導き出すと考えやすいでしょう。
また「チャネル」なら同様に「顧客セグメント」「パートナー」、「キーリソース」なら「価値提案」「主要活動」を参考にして記載するのです。
「キーパートナー」はバリューチェーン分析(商品やサービスがターゲット顧客に提供するまでのフローを区分けして分析する手法)を行うことで記載できます。
④お金の流れを可視化できる「コスト構造」「収益の流れ」を記載する
「コスト構造」は自社サイドの青い項目と「チャネル」、「収益の流れ」はターゲット顧客サイドの赤い項目と「キーパートナー」から導き出してみましょう。
■ビジネスモデルキャンバス作成のポイントとは?
ビジネスモデルキャンバスを作成する上で重要なポイントは全体の関係性を把握するため、全ての項目を埋めた方がよいということです。
正確であることや完全であることにこだわらず可能性のあることはひとまず含めておくと、よりビジネスモデルの全体像が把握しやすくなるでしょう。
■ビジネスモデルキャンバスの更新方法
ではビジネスモデルキャンバスはどのくらいの変更があった時に何回更新するのが望ましいのでしょうか。
決まりはありませんが最初にたたき台を作ってビジネスの輪郭をつかみ、1回目のアップデートでは顧客をより深く分析してその結果を反映させ、2回目のアップデートでは外部環境を分析してその結果を反映させるといった方法もあります。
ビジネスモデルキャンバスを長く活用するためにも、自社に合った更新頻度を作りながら考えていくのがよいのではないでしょうか。
■まとめ
ビジネスモデルキャンバスはビジネスモデルの全体像を把握し、現状の把握や確認にも使いやすいフレームワークですが、ビジネスモデルの再検討や課題の把握にも役立つことがわかりました。
一見難しそうに見えますが手間をかけただけの効果はあるので、より成功に結び付くビジネスモデルを考えたい方はぜひ活用してみてください。