権威への服従原理とは?Webマーケティングに使える心理学
テレビや動画で専門家や社会的地位の高い人の話を聴いた時、内容を確認せずについ信じ込んでしまったという経験はありませんか?
これは権威への服従原理がそうさせるのです。
この記事では権威への服従原理とはどのようなことかからWebマーケティングに活かす方法まで詳しく説明します。
■権威への服従原理とは?
権威への服従原理とはミルグラム効果(Milgram effect)とも呼ばれ、物事の実際の信憑性にかかわらず肩書きや地位のある人の意見を信じてしまうことを言います。
アメリカ・イェール大学の心理学者スタンリー・ミルグラム(Stanley Milgram)が1963年にアメリカの社会心理学会誌「Journal of Abnormal and Social Psychology」で実験結果を発表しました。
事前に被験者は45ボルトの電圧を受ける訓練を受けそのショックを知っているにもかかわらず、被験者が先生役となって生徒に回答を間違った罰として電圧ショックを与えるよう白衣の人物から促されると65%もの被験者が最高電圧の450ボルトまで電圧を上げ続けたという内容だったのです。
「白衣」という権威が非人道的なことまでも人間に行わせてしまうことがわかり、権威への服従原理の存在が証明されました。
■権威への服従原理をWebマーケティングで活用する方法
権威への服従原理の実験結果はショッキングな内容でしたが、Webマーケティングでは上手に使うとターゲット顧客の信頼度を高めることができます。
3種類の方法をご紹介します。
専門家に商品やサービスを監修してもらう
自分の売りたい商品やサービスをその分野についての資格を持つ専門家に監修してもらい、その専門家のプロフィール(資格・肩書き・実績・本人の画像など)をWebサイトに記載することでターゲット顧客の信頼度を高めることができます。
権威への服従原理が働き、ターゲット顧客に「この専門家が監修した商品やサービスならば間違いがない」と感じさせることができるからです。
その商品やサービスについて、専門家からのコメントや説明があればそれも記載しておくとさらにターゲット顧客の信頼度は高まり、コンバージョンへとつなげやすくなるでしょう。
他の人に商品やサービスを宣伝してもらう際に使える心理的効果「ハロー効果」についても知りたい方は次の記事もごらんください。
受賞歴を掲載する
自分の売りたい商品やサービスに受賞歴があれば、それをLPや商品パッケージに目立つようにはっきりと記載するのも効果的です。
ターゲット顧客はその賞について詳細を知らなくても、「受賞した」という事実に対して権威への服従原理が働くため勝手にその商品やサービスを良いものだと感じてしまうのです。
丁寧な活用を試みるのであれば、その賞の概要やいつ、どのような理由で受賞したのかといった内容をWebサイトに記載しておくことによってより商品やサービスへの信頼性を高めることができるでしょう。
商品説明を工夫する
自分の売りたい商品やサービスを短い言葉で説明するキャッチコピーに権威への服従原理を活用すると、ターゲット顧客の信頼度を高める働きが期待できます。
例えば新しいサプリメントの説明をするために次のようなキャッチコピーを作ったとしましょう。
「現役産婦人科医師100名に聞いた、女性の不調に1番効くサプリメント」
このキャッチコピーでは前半で「現役の産婦人科医師が100人も良いと言っている」ということをターゲット顧客にストレートに伝える作りになっているため、権威への服従原理がとても働きやすくなっています。
Webサイトを隅々まで閲覧してくれるターゲット顧客はそんなにたくさんはいないことを考えると、商品やサービスの説明は短い言葉でいかにターゲット顧客の感情を動かすことができるかに焦点を当てて考えることが重要だと言えるでしょう。
キャッチコピー1つでも権威への服従原理を取り入れることでターゲット顧客の購買意欲を高め、コンバージョンにつながる可能性を持たせることができるのを忘れないようにしましょう。
■まとめ
権威への服従原理は実際の物事の信憑性に関わらず、権威や肩書きのある人の言うことを無条件に信じてしまう心理的効果ですが、Webマーケティングではターゲット顧客の信頼度を高めるのに活用できることがわかりました。
商品やサービスの内容からWebサイトでの見せ方までさまざまなポイントで手軽に使用できるのが、権威への服従原理をWebマーケティングで活用することの大きなメリットと言えるでしょう。
ぜひ積極的に取り入れて、自分の売りたい商品やサービスの良さを的確にターゲット顧客へとアピールしてみてください。