4P分析とは?Webマーケティングで覚えておきたい分析手法
4P分析という言葉は知っているけれど、具体的なイメージがわかずあまり活用できているかどうかよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では4P分析とは何かから活用事例まで詳しくご紹介します。
4P分析と並び有名な分析手法として3C分析もありますので、下記の記事もご覧ください。
Webマーケティングで覚えておきたい分析手法、3C分析とは?
Webマーケティングでは情報の分析が大切とはいうものの、どのような分析手法を用いればよいのかわからないと頭を抱えている方はいらっしゃいませんか? この記事では顧客・競合企業・自社について効率的に分析ができる手法、3C分析について解説していきます。
■4P分析とは?
4P分析とは「Product(製品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(プロモーション)」の4つの視点からターゲット市場を分析し、自社の課題や強みを発見する分析手法です。
4P分析を行うのはターゲット顧客のニーズをとらえ、価値を感じてもらえる商品やサービスを提供し、どのように販売促進をするかを考えるのが目的と言えます。
Webマーケティングでは、戦略の立案・実行のプロセスは以下の6段階ですが、その5段階目で4P分析が用いられます。
具体的には以下のとおりです。
①Webマーケティング環境分析と市場機会の発見
3C分析などで内部環境と外部環境の分析を行い、自社の強みを市場で活かせる機会を探します。
②セグメンテーション(市場細分化)
ターゲット顧客を同じようなニーズを持っているグループ(市場)に分けることです。
③ターゲティング(市場の絞り込み)
分けたグループ(市場)の中で、どこの市場を狙うかを考えます。
④ポジショニング
狙う市場の中での、自社の立ち位置を明確にすることです。
⑤マーケティング・ミックス
4P分析などを行い、Webマーケティング戦略を立案します。
⑥Webマーケティング戦略の実行と評価
考えたWebマーケティング戦略を実行し、評価します。
4P分析の役割をご理解いただいたところで、ターゲット市場を分析するための4つの視点について詳しく見ていきます。
Product(製品)について
4P分析の中で、ターゲット顧客にとって価値ある商品やサービスを開発することを目的に行う調査・分析です。
商品やサービスには機能だけではなく品質、デザイン、ブランド、パッケージ、保証も含まれているという前提に立った上で、ターゲット顧客が自社の商品やサービスに何を求めているのか(感情・機能・価格など)を考えてみましょう。
視野を少し広げて自社と競合他社の商品やサービスを比較してみることも大切です。
Price(価格)について
4P分析の中で、ターゲット顧客に対して商品やサービスをどのような価格で販売するかを考えます。
元々商品やサービスに適正価格というのは存在しません。
次の3つの観点から考えてみましょう。
・ターゲット顧客が感じる価値に対し感情的に満足させられる価格かどうか
・コストに対して採算が取れる価格かどうか
・競合他社と比較して魅力的な価格かどうか
価格競争ができない場合、付加価値をつけて価格を上げるといった工夫もできるでしょう。
Place(流通)について
4P分析の中で自社の商品やサービスをターゲット顧客に確実に届けるための販売場所や流通経路を考えることです。
現在はインターネットの発展により多彩な販売チャネルがあります。
また例えば百貨店、コンビニエンスストア、ホームセンターのうちどこで販売するかによって商品やサービスに対するターゲット顧客の印象が変わるといったことも考えるとなお良いでしょう。
Promotion(プロモーション)について
4P分析の中で自社の商品やサービスをどのようにターゲット顧客に認知してもらい、その魅力や特徴を伝えるかについて考えることです。
具体的には広告、広報、ホームページ、SNS、キャンペーンなどでの販売促進策を決めていきます。
競合他社のプロモーション戦略に目を向けて分析するのも良い方法と言えるでしょう。
■4P分析の事例について
ではクラフトビールブームの波に乗って2012年6月にキリンビールとセブンイレブンが提携して作った「GRAND KIRIN(グランドキリン)」を4P分析の手法を用いて分析してみましょう。
①Product(製品)
現在GRAND KIRINはインディア・ペールエールの「IPA」、フルーティな「ホワイトエール」インディア・ペールラガーの「IPL」の3種類が発売されています。
海外旅行の経験から多彩なビールに触れてきた若い人達を対象に、日本でもピルスナーとラガーばかりではない多種多様なビールが飲みたいという感情を満たす商品です。
②Price(価格)
GRAND KIRINは1本260円前後で販売されています。
発泡酒、第3のビールが100円台の価格で販売されていることから考えると高価格帯の商品ですが、3種類とも味が個性的でクラフトビールを飲んだ時と同様の満足感という付加価値が得られるため、あまり価格を不満には思わないでしょう。
③Place(流通)
GRAND KIRINは2012年6月にセブンイレブン1万4000店での先行販売を開始しました。
ここで商品がヒットしたため、今ではスーパー、コンビニ、通販とさまざまなチャネルで販売されています。
④Promotion(プロモーション)
ビールの宣伝というと、ビールメーカーの名前を前に出して宣伝することが多いですが、GRAND KIRINはFacebookとTwitterでグランドキリン公式アカウントを持ち、運用しているのが特徴的です。
公式ホームページからフォローできるようになっているのですが、「GRAND KIRINを何倍もおいしく飲める秘密のこだわりをお届けします」というキャッチコピーはいかにもクラフトビール好きの心をくすぐると言えるでしょう。
近年お酒の世界ではハイボールブームなどでビールの消費量が減少していましたが、GRAND KIRINを4P分析してみると、ニッチな市場であるクラフトビールのブームを的確にとらえ、多種多様なビールを飲みたいという顧客ニーズを満たしたのが売上を伸ばした成功要因と理解できます。
■まとめ
4P分析は自社の課題や強みを的確に把握し、どのような商品やサービスでターゲット顧客のニーズを満たすことができるかを考えるための分析手法だとわかりました。
自社の商品やサービスの魅力をターゲット顧客に効率的に伝えるためにも、ぜひ4P分析を積極的に活用してみてください。