新近効果とは?WEBマーケティングに使える心理学
映画が好きでよく見ているけれど、ラストシーンがいつも一番印象に残ると感じている方は多いのではないでしょうか。
これは新近効果が働いているためです。
この記事では新近効果とは何かからWebマーケティングで上手に活用する方法まで詳しく説明します。
※過去に「親近効果」として記載をしておりましたが、誤りをご指摘いただき、「新近効果」と修正しております。後述しておりますが「最も新しいものが思い出されやすい」という意味であって、親しさは関係ありません。誤った情報を記載しておりましたことをお詫びいたします。またご指摘いただいた匿名の方にこの場を借りて御礼申し上げます。
■新近効果とは?
新近効果とは、人間が何かを見た時最後の印象が記憶に残りやすく、後の評価や判断に影響を及ぼすことです。
初頭効果の逆の意味を指します。
1976年にアメリカの心理学者ノーマン・H・アンダーソンにより提唱されました。
初頭効果は長期記憶に基づくとされますが、新近効果は短期記憶に基づく心理効果です。
初頭効果についても詳しく知りたい方は、次の記事をごらんください。
■新近効果と初頭効果の使い分けとは?
では新近効果と初頭効果はどのように使い分ければよいのでしょう。
新近効果と初頭効果のどちらが強く働くかを決める要素は2つあります。
①ターゲット顧客の関心度合い
ターゲット顧客が商品やサービスに対して関心が低ければ初頭効果、高ければ新近効果が強く働くのです。
関心が低い人は最後まで話を聴いてくれる可能性は低いため初頭効果、関心が高い人は最後まで話を聴いてくれる可能性が高いため新近効果を意識するのが望ましいでしょう。
②認知的複雑性
認知的複雑性とは複雑なことを複雑なまま認知できる能力のことを言います。
認知的複雑性が高いターゲット顧客には初頭効果、低いターゲット顧客には新近効果が強く働きます。
認知的複雑性が低い人に余計な情報を与えると混乱してしまうので、メリットや強みをわかりやすく説明した後、最後に最もアピールしたいことを伝えると効果的ということです。
■新近効果をWebマーケティングに活用する方法
次に新近効果をWebマーケティングで活用する方法を3つご紹介します。
Webサイトの構成に活用する
新近効果を意識してWebサイトを構成すると、売りたい商品やサービスを効果的にアピールすることができます。
Webサイト内のコンテンツで複数の商品やサービスを紹介するのはよくあることですが、その時一番売りたい商品やサービスをコンテンツの終盤で紹介するのです。
これはコンテンツを見たターゲット顧客に新近効果が働いて、商品やサービスの品質に大きな差がなくても一番最後に提示された商品やサービスが一番良いものと判断してしまうことを利用しています。
例えばコンテンツ内でランキング形式などを用いて商品やサービスを順番に紹介していき、1位に売りたい商品やサービスを提示してアピールするといった構成がわかりやすいでしょう。
口コミの乗せ方に活用する
口コミやレビューというのはポジティブな内容とネガティブな内容があるため、掲載する順番に迷うのはよくあることではないでしょうか。
慶応義塾大学大学院商学研究科で行われた実験では、Webページの最初にネガティブな口コミを掲載し、最後にポジティブな口コミを掲載して被験者にWebページを通読してもらいました。
その結果被験者は口コミされた商品やサービスに対してポジティブな印象を持ったのです。
このことからターゲット顧客に対して新近効果が働くことを意識し、口コミやレビューの掲載順番を検討すると商品やサービスにより良い印象を持ってもらえるでしょう。
広告文で活用する
Web広告を出稿する時、広告文で新近効果を意識するのも良い方法です。
広告文の最後の方に売りたい商品やサービスのメリットや強みをまとめてターゲット顧客にアピールするのです。
この方法はコンテンツ作成などにも使用することができ、商品やサービスを使うメリットとデメリットをコンテンツ内で紹介する際にデメリット→メリットの順番で紹介すると新近効果が働いてターゲット顧客にはデメリットよりメリットの印象が強く残ります。
さらに応用的な方法で使用するなら、商品やサービスを使用しなかった際のデメリットを広告文の最後に掲載して危機感を煽るといったことも可能です。
ターゲット顧客の背中を強く押す必要がある時などは、このような方法を取るのもよいのではないでしょうか。
■まとめ
新近効果は初頭効果の逆で最後の記憶が印象に残りやすいことなので、興味や関心を既に強く持っているターゲット顧客に対して使用すると効果的だとわかりました。
Webサイト内ではコンテンツ作成から口コミを掲載する順番まで幅広く応用できる心理的効果なので、新近効果を意識するだけで多くのターゲット顧客に自分の商品やサービスの良さを効率よくアピールできるでしょう。
ぜひ積極的に活用してみてください。