カクテルパーティ効果とは?Webマーケティングに使える心理学
外出先でスマホに仕事の重要な連絡があると、周囲からかなりの騒音が響いてもちゃんと内容が聞き取れるのに気づくことはありませんか?
これはカクテルパーティ効果という心理的効果が働くことによるものです。
この記事ではカクテルパーティ効果とは何かからWebマーケティングでの活かし方まで詳しく解説します。
■カクテルパーティ効果とは?
カクテルパーティ効果は選択的注意(多様な情報の中から自分にとって重要なものを選択して注意を向ける認知機能)の1つで聴覚に対して働くものを言います。
これが視覚に対して働くとカラーバス効果と名前が変わるのです。
カクテルパーティ効果は1953年にイギリスの認知心理学者エドワード・コリン・チェリー(Edward Colin Cherry)によって提唱されました。
1953年にエドワード・コリン・チェリーによって行われた両耳分離聴の実験では、被験者にヘッドホンで左右別々の音声を流して片方に注意を払うよう指示した場合、注意を払った音声は復唱することができても注意を払わない音声は聴き取れていないことがわかったのです。
また注意を払っていない音声に被験者の名前を混ぜると、被験者の注意が移ることも実証されました。
■カクテルパーティ効果をWebマーケティングで活用する方法
カクテルパーティ効果をWebマーケティングで活用する前提として、自分に関係があると思ってもらうきっかけを作るため次の3つの属性を使った呼びかけを行うことが重要だと言えるでしょう。
①ジオグラフィック(地理的属性)
ターゲット顧客の住所、周辺環境、勤務地などを含めた呼びかけのことを言います。
例えば「埼玉県へお住まいのあなたへ」や「池袋へ通勤されている方へ」のような呼びかけがこれにあたるのです。
②デモグラフィック(人口統計的属性)
ターゲット顧客の年齢、性別、職業、役職、学歴、家族構成などを含めた呼びかけのことを言います。
例えば「事務職の方が知っておきたいExcelスキルとは?」「4人家族にぴったりな保険をご存知ですか?」などです。
③サイコグラフィック(心理的属性)
ターゲット顧客の目標、現状、悩み、信念などを含めた呼びかけのことを言います。
例えば「副業で月10万円稼ぎたい方へ」や「夏の汗のにおい、気になっていませんか?」などです。
これを踏まえて具体的にWebマーケティングのどのような場でカクテルパーティ効果を使用すればよいかを2つご紹介します。
カクテルパーティ効果を使ったキャッチコピー
カクテルパーティ効果を利用して、よりターゲット顧客の注意を惹きつけるキャッチコピーを作成することができます。
例えば「神奈川県にお住まいの方だけが加入できる、女性にぴったりな保険で月々の支払いが節約できるのを知っていますか?」というキャッチコピーを作ったとしましょう。
このキャッチコピーを分析すると、「神奈川県にお住まいの方」でジオグラフィック、「女性」でデモグラフィック、「節約できる」でサイコグラフィックを意識した作りになっています。
よく耳にしそうなキャッチコピーではありますが、同業他社のキャッチコピーをこの観点でいくつか分析しておくといざ自分が作る際に参考にできるのではないでしょうか。
カクテルパーティ効果を使ったメルマガ配信
メルマガの冒頭で自分の名前を呼びかけられたため、そのままなんとなく目を通してしまった経験はありませんか?
これは名前を呼ぶことでターゲット顧客の注意を惹き、メルマガの内容を自分にとって必要なことだと認識させたために起こる現象です。
ブログで「あなた」と呼びかけて文章を作るのも同じ効果があります。
ターゲット顧客に最初に「これは自分に関係のある話だ」と思わせるように工夫すれば、メルマガ配信やブログでもカクテルパーティ効果は発揮されるのです。
メルマガの冒頭で名前を呼びかけるのは、心理効果としてはバーナム効果も期待できる手法です。
バーナム効果について詳しく知りたい方は、次の記事もごらんください。
■まとめ
カクテルパーティ効果はターゲット顧客の聴覚に働きかけ、自分に関係のある話だと意識づけることができれば話を聴いてもらえるため、Webマーケティングでは属性を意識した呼びかけが大事だとわかりました。
営業でもWebマーケティングでも同じですが、ターゲット顧客に話を聴いてもらえるきっかけというのはなかなか作りにくいものです。
貴重なコンバージョンへのチャンスを作るためにも、ターゲット顧客に対して上手にカクテルパーティ効果を用いて効果的にアピールしてみてください。