クリック率(CTR)とは?仕組みや改善方法まで【リスティング広告・SEO対策】
ウェブ広告やSEOに携わっている人なら日常的に気にするクリック率(Click Through Rate)ですが、中にはせっかく得られた結果をどのようにリスティング広告運用やSEO対策に活かせば良いのかなど、具体的な策がいまいち分からない人もいるかと思います。
今回はクリック率が一体なんなのか、SEOとリスティング広告での考え方や、クリック率の改善方法まで解説します。
- 目次
- ■クリック率(CTR)とは
- リスティング広告におけるクリック率と平均値
- 自然検索におけるクリック率
- SEOとリスティング広告でクリック率UP
- ■クリック率は高いほうが良い理由
- クリック数が増える
- 品質スコアが上がる
- ■クリック率が低い理由
- ユーザーのニーズにあっていない
- 訴求力が弱い
- ■クリック率を改善する方法
- 掲載順位を上げる
- 広告表示オプションを設定する
- ■まとめ
■クリック率(CTR)とは
クリック率とは、表示された広告やウェブサイトがクリックされた頻度を表す割合で、キーワードや広告の成果をチェックする際に使用します。
クリック率は「インプレッション数」と「クリック数」の以下の計算方法で出すことができます。
インプレッション数とは、広告やコンテンツが表示された回数のことを言います。
クリック数 ➗ インプレッション数 = クリック率
リスティング広告におけるクリック率と平均値
リスティング広告のクリック率は、業界やブランド指名ワードかその他のワードか、使用する検索エンジン等で変わってきます。
クリック率の平均値を知りたい場合は、業界別の数値を参考にする事をお勧めします。
業界 | 【検索広告】 クリック率平均値 | 【ディスプレイ広告】 クリック率平均値 |
出会い | 6.05% | 0.72% |
旅行&ホスピタリティ | 4.68% | 0.47% |
擁護団体 | 4.41% | 0.59% |
自動車 | 4.00% | 0.60% |
教育 | 3.78% | 0.53% |
不動産 | 3.71% | 1.08% |
健康・医療 | 3.27% | 0.59% |
法律 | 2.93% | 0.59% |
金融・保険 | 2.91% | 0.52% |
Eコマース | 2.69% | 0.51% |
産業サービス | 2.61% | 0.50% |
家庭用品 | 2.44% | 0.49% |
求人 | 2.42% | 0.59% |
消費者サービス | 2.41% | 0.51% |
B2B | 2.41% | 0.46% |
技術 | 2.09% | 0.39% |
参考:Google Ads Benchmarks for YOUR Industry (データ引用元)
ご自身のリスティング広告の運用の参考にしてみてください。
自然検索(オーガニック検索)におけるクリック率
自然検索(オーガニック検索)とはGoogle検索の検索結果画面で、リスティング広告などの有料広告以外の部分のことを言います。
自然検索で掲載順位を上位に上げることで、ユーザーからのクリックが増加します。
Internet Marketing Ninjas (インターネット・マーケティング・ニンジャズ)社が公開した2017年夏の検索順位別クリック率のデータをまとめました。
参考:Announcing: 2017 Google Search Click Through Rate Study(データ引用元)
自然検索のクリック率は検索順位が上位であるほど、クリック率は高くなっています。
1位と2位のクリック率の差が倍あることから自然検索では、上位に掲載されなければ下位はクリック率が相当低いことがわかります。
より多くのユーザーをウェブサイトに誘導したいのであれば、検索結果で上位に掲載される事が重要になってきます!
SEOとリスティング広告でクリック率UP
自然検索で掲載順位を上位にあげる策としてSEO対策があります。
SEO(Search Engine Optimization)とは検索エンジン最適化といい、基本的にGoogleの検索エンジンに対して行います。Googleで上位表示するためには、Googleのアルゴリズムに沿って様々なSEO対策を進めていきます。
Googleが行なった調査によると、SEOと有料広告の出稿を並行して行う事で、クリック率を高める事がきると述べています。
例えば、SEO対策を頑張って自然検索で掲載順位が1位になれたサイトがあるとします。
このサイトがリスティング広告を出稿する事で、クリック率をさらに50%高める事が可能だと述べています。
また、2−4位は86%、5位は96%と、ほぼ2倍もクリック率を高める事ができるそうです。
1点だけ注意しないといけないのが、自然検索で1位の場合、リスティング広告を併用すると自然検索のサイトのクリック率は下がってしまうそうです。
ですが、全体で多くのユーザーをウェブサイトに呼び込めているという事なので結果的にはOKですね。
SEOで1位になったとしても、リスティング広告を出稿する事でまだまだクリック獲得のチャンスがあるという事です。
SEOとリスティング広告を併用して多くのユーザーをウェブサイトへ誘導しましょう!
参考:Google Research: Even With A #1 Organic Ranking, Paid Ads Provide 50% Incremental Clicks(データ引用元)
■クリック率が高い方が良い理由
クリック率は高いほうが良さそうですよね。実際に高いほうがいいんです。
では、なぜ高いほうがいいのかを以下の2つのポイントに分けて解説していきます。
- クリック数が増える
- 品質スコアが上がる
クリック数が増える
先述した通り、クリック率の求め方は、
クリック数 ➗ インプレッション数 = クリック率
という計算式で成り立ちます。
クリック率が上がるとクリック数が増加するので、クリック率を上げて効率的に数値を伸ばしましょう。
品質スコアが上がる
クリック率が上がると品質スコアが上がります。
それは結果的に掲載順位が上がり、表示回数が増えることにつながります。
品質スコアとはGoogle広告における、キーワードや広告やランディングページの質を10段階で評価したものです。
品質スコアが上がると上位に広告を掲載できるだけでなく、クリック単価が安くなるなどメリットがあります。
■クリック率が低い理由
クリック率が低く感じても、最初はなぜ低いのか原因があまり分からないと思います。
原因がわかると改善点も見えてきます。何故、クリック率が低くなってしまうのかについて以下の2つのポイントを抑えていきましょう!
- ユーザーのニーズにあっていない
- 訴求力が弱い
ユーザーのニーズに合っていない
出稿している広告がユーザーのニーズとズレがあるとクリック率は低くなります。
例えば、サッカーのウェアを探しているユーザーがいます。
検索語句「サッカー ウェア 通販」
広告A スポーツウェアの通販/送料無料
広告B サッカーウェアの通販/送料無料
ユーザーはサッカーのウェアを探しているので、広告Bの方がユーザーのニーズにマッチしています。
このようにユーザーの立場になって、ニーズを意識しながら広告を作成しましょう。
訴求力が弱い
ユーザーに訴えたい自社のサービスや商品を広告に盛り込み、クリックしたくなるような広告を作ります。
セールをしている期間なら、【期間限定50%オフセール中】など文言を入れて、自社のおすすめポイントを広告を通して伝えます。
パッと目を引くような言葉でユーザーからのクリックを獲得しましょう!
■クリック率を改善する方法
クリック率を改善するには
- 掲載順位を上げる
- 広告表示オプションを設定する
以上の2つのポイントを抑えていきます。
掲載順位を上げる
掲載順位が高いとクリック率が増えます。
掲載順位は広告ランクで決まり、広告ランクは入札価格と品質スコアで決まります。
広告ランクの計算式
広告ランク = 入札価格 ✖️ 品質スコア
つまり、入札単価と品質スコアが高ければ広告ランクが上がるという事です。
品質スコアは
- 広告の推定クリック率
- キーワードと広告の関連性
- キーワードとランディングページの関連性
この3つの要素で決まります。
1.広告の推定クリック率
広告の推定クリック率とは、Google広告における、キーワードが推定でどれくらいクリックに繫がるのかを示すステータスです。このステータスは、「平均より上」「平均値」「平均より下」の3段階となっており、「平均より下」のステータスの場合、改善の余地があることになります。
広告の推定クリック率を高めるには、キーワードと広告の関連性・キーワードとランディングページの関連性の2つの要素が重要になってきます。
2.キーワードと広告の関連性
Googleのアルゴリズムは、ユーザーの検索語句と一致した広告を上位表示させます。広告にキーワードを含め、キーワードとの関連性を高めましょう。
また、訴求ごとにグループを分けると効果的です。広告のグループ構成を見直してみましょう。
3.キーワードとランディングページの関連性
広告をクリックした後にランディングページが、ユーザーのニーズに合わないものだったらユーザーはがっかりしますよね。Googleは常にユーザーにとって有益な情報を提供したいと考えています。
なので、キーワードとランディングページは関連性を持たせ、かつ、読みやすい・分かりやすいページを作成しましょう。
広告表示オプションを設定する
広告表示オプションを設定する事で、ユーザーにクリックされやすい広告を作成する事ができます。
Google広告で設定できる主な広告表示オプション
- サイトリンク表示オプション
- コールアウト表示オプション
- 構造化スニペット
- 電話番号表示オプション
- 住所表示オプション
- 価格表示オプション
- プロモーション表示オプション
広告表示オプションを設定する事で、広告の画面占有率が増え、クリック率が上がります。
これらは簡単に設定する事が可能なので、ぜひ活用してみてください。
■まとめ
リスティング広告やSEOにおいて、クリック率を分析したり改善していくことは、効果を高めていくためには欠かせない作業です。
もちろん、クリックの先にあるコンバージョンをいかに増やしていくかなども、分析する事が重要です。
ユーザーからのクリック率を、パフォーマンス・成果向上のための一つの指標として見逃さずにチェックしていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。