ストループ効果とは?Webマーケティングに使える心理学
Web広告の文字と色を見て、ごちゃごちゃしていてどうもわかりにくい広告だと感じた経験はありませんか?
このような場合、ストループ効果が働いている可能性があるのです。
この記事ではストループ効果とは何かからWebマーケティングでの効果的な活用方法まで説明します。
■ストループ効果とは?
ストループ効果とはそれぞれ意味の異なる情報が同時に提示されると、情報同士が干渉しあって理解するのに時間がかかる現象を言います。
1935年にアメリカの心理学者ジョン・リドリー・ストループによって提唱されました。
文字の色と意味が干渉しあってストループ効果が働く事例を見てみましょう。
まずは次の言葉を読んでみてください。
「あか」「あお」「みどり」とすぐに読めたのではないでしょうか。
次はどうでしょう。
同じ「あか」「あお」「みどり」ですが1つめより読むのに時間がかかったことでしょう。
文字の色と意味が異なる場合、それが一致している場合より脳内での処理に時間が必要なのです。
ストループ効果が起こる原因は、色と意味が異なる場合のように何か矛盾を感じた時起こる脳の混乱だと言われています。
■ストループ効果をWebマーケティングで活用する方法
ストループ効果をWebマーケティングで活用する方法を3種類ご紹介します。
Web広告に用いる
ストループ効果を起こさないようなWeb広告を作成すると、ターゲット顧客に効果的にアピールすることができます。
例えばWeb広告内には広告文や画像などさまざまな素材を配置しますが、ストループ効果を起こさないためにはこれらの素材に整合性を持たせることが大切です。
例えば「今までにない恐怖をもたらすホラーゲーム」というキャッチコピーの文字フォントが丸みのあるかわいらしいものだったり、ゲーム画像に暖色系のカラーがたくさん使われていたりすると違和感を持つでしょう。
Web広告の中では、ターゲット顧客に伝えたいイメージに合わせた素材で統一感を持たせることが重要です。
Webサイトの発信内容に用いる
Webサイト内では見た目の要素だけではなく、発信内容にもストループ効果が働かないように注意をする必要があります。
例えばLPに電話での問い合わせを促す内容を掲載し、電話番号も記載してあるのに対応時間の記載がないとターゲット顧客に混乱をもたらすのではないでしょうか。
また在庫数を商品紹介ページに記載するのはよいのですが、その個数がいつまでたっても「残り1点」のまま変わらないとターゲット顧客に不信感を抱かせてしまいます。
このようにWebサイトの発信内容でストループ効果を働かせてしまうと、ターゲット顧客との間にせっかくラポール形成ができたとしても壊れてしまいます。
Webサイトでターゲット顧客に良い印象を持ち続けてもらうためにも、発信内容に矛盾がないように心がけましょう。
ラポール形成についても詳しく知りたい方は、次の記事もごらんください。
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ビジネスでつきあい自体は長いけれど、いまいちコミュニケーションが深まらないお客様に対してどのように接すればよいか悩むことはありませんか? この問題の解決のヒントになるのがラポール形成です。 この記事ではラポール形成とは何かからWebマーケティングでの活用方法まで説明します。
ブランディングに用いる
企業のブランディング活動において、企業やブランドの世界観を表す役割を持つのがトーン&マナーです。
トーン&マナーとは広告やコンテンツを作成する上でデザインに一貫性を持たせることを指します。
このトーン&マナーがしっかり守られていると、どこのブランドなのかやどこの会社かがターゲット顧客にしっかりと認識されるので、ブランド力の強化や信頼性のアップにつながります。
このようにデザインの持つ雰囲気やイメージに一貫性を持たせるためには、情報の整合性が保たれている必要があります。
そのためトーン&マナーを守ることはストループ効果を引き起こさず、ブランディングに効果的だと言えるのです。
トーン&マナーを守ることはブランディングだけではなく、SEO対策やコスト削減にも効果的だと言われているので、これからデザインに取りかかる方はぜひ取り入れてみてください。
■まとめ
ストループ効果は意味の異なる情報同士が干渉しあって理解するのに時間がかかってしまう現象ですが、Webマーケティングの世界においてはターゲット顧客にわかりやすく商品やサービスについて伝えるために避けた方がよいことがわかりました。
ストループ効果を避けるためには、自社のブランディング方針をWebマーケティングの担当者だけが知っていればよいのではなく、販促ツール作成の担当者、SEO対策の担当者などかかわる人全てが知っておく必要があります。
このため部署同士でのコミュニケーションを活発にし、協力し合ってターゲット顧客からの信頼を崩さないように仕事をすすめるのが望ましい姿勢と言えるでしょう。
ぜひ社内の連携を強化して、ストループ効果を働かせないよう注意深くWebマーケティングに取り組んでいってください。