ノーコード・ローコードとは?開発への敷居を下げる新しい技術を詳しく解説
IT分野のバズワードは流行り廃りが激しいのが特徴的ですが、最近注目を集めているのがノーコード・ローコードというキーワードです。
この記事ではノーコードとローコードの意味から日本で注目される背景まで詳しく解説します。
- 目次
- ■ノーコード・ローコードとは?
- ■日本でノーコード・ローコードが注目される背景
- ■ノーコード・ローコードを使用するメリット
- ■ノーコード・ローコードを使用するデメリット
- ■おすすめのノーコード・ローコードプラットフォーム
- ■まとめ
■ノーコード・ローコードとは?
今までプログラミングを行うためにはソースコードを書く作業であるコーディングという工程が不可欠でした。
しかしノーコード(no-code)・ローコード(low-code)ではその名の通り全くコーディングを行わないか、極力少ないコーディングで目的のアプリケーションを開発することができます。
ノーコードやローコードはさまざまな開発プラットフォームやツールを組み合わせることで実現できますが、アメリカのリサーチ会社であるフォレスター・リサーチ社では2022年にローコードのプラットフォーム市場が2.2兆円を超えると予想しています。
コーディングの工程が不要だったり、少なかったりするとその分だけ開発費用も少なくて済むため、ノーコードとローコードは大きな注目を集めているのです。
■日本でノーコード・ローコードが注目される背景
2020年に独立行政法人情報処理推進機構が発表した「IT人材白書2020」のアンケート調査結果によると、2019年度にIT企業において人材の量が大幅に不足していると回答した企業は33.0%、やや不足していると回答した企業は56.0%で、合計89%もの企業で人材不足を感じているという結果となりました。
日本の企業においてはDXの推進など、ITを活用して解決したい課題が山積みなのにそれを担う人材が不足しているという状況なのです。
そのため開発の工程を削減できコスト削減にもつながる、ノーコード・ローコードは日本で注目を集めているというわけです。
参考:独立行政法人情報処理推進機構「IT人材白書2020」概要
■ノーコード・ローコードを使用するメリット
ノーコード・ローコードを活用するメリットは次の通りです。
- 開発にかかる時間やコストを削減できる(共通)
- 開発時のミスを削減できる(共通)
- スキルの高い人材がいなくても開発に取り掛かることができる(共通)
- 用意された範囲内での拡張が簡単(ノーコード)
- 汎用性・拡張性が高い(ローコード)
- 既存のシステムと連携できる(ローコード)
プログラミングの深い知識を持っている担当者がいない場合でも、シンプルな機能を持つアプリケーションで業務を効率化したい時などにノーコード・ローコードを活用して開発を行うとメリットが大きいのではないでしょうか。
■ノーコード・ローコードを使用するデメリット
ノーコード・ローコードを活用するデメリットは次の通りです。
- 規模の大きなシステム開発には向かない(共通)
- 開発者の意欲を損ねやすい(共通)
- ツールの選定に時間がかかる(ノーコード)
- セキュリティーがプラットフォーム依存となる(ローコード)
- 開発者以外システム構成が理解できない(ローコード)
ノーコード・ローコードを使用した開発では便利さや手軽さばかりに目が行きがちで、デメリットについてよく検討しないまま開発に入ってしまうことが想定されるため、開発後長く運用していけるのかどうかも考えて開発に着手することをおすすめします。
■おすすめのノーコード・ローコードプラットフォーム
最初におすすめのノーコードプラットフォームを2つご紹介します。
bubble
bubbleは2014年に生まれたノーコード開発ができるプラットフォームで、ユーザー数は2021年7月現在100万人を超えており、操作感がPowerPointに似ているのが特徴的です。
今まで開発されたアプリの種類はA/Bテストを行うWebアプリ、自身のキャリアを管理するWebアプリ、借金を管理して返済もできるWebアプリなどさまざまで、初心者でも作業しながらアプリ開発への理解を深めることができるのがメリットだと言えるでしょう。
参考:bubbleホームページ
Adalo
AdaloはWebアプリ(ブラウザ上で動作するアプリ)とネイティブアプリ(スマホやタブレットにインストールして使用するアプリ)をノーコード開発できるプラットフォームで、パーツをドラッグ&ドロップで枠にはめ込んでパズルのように組み立てることでアプリを作成できるのが特徴的です。
無料プランでもアプリ作成数に制限はないので、たくさん開発して試行錯誤したい人におすすめです。
参考:Adaloホームページ
次におすすめのローコードプラットフォームをご紹介します。
Monaca
MonacaはiOSとAndroidのアプリが作成できる、2021年7月現在25万人が利用している日本発のローコード開発プラットフォームです。
これまでに10万種類以上のアプリがMonacaを使用して制作され、もし自社だけでは解決できない課題が発生した時でも開発支援サービスを利用することができるため、初心者の人でも安心して開発に取り組むことができます。
参考:Monacaホームページ
■まとめ
ノーコード・ローコードはプログラミングに不可欠だったコーディングの作業をなくしたり、少なくしたりできる開発方法で、IT人材の不足が企業の課題となっている日本においては注目を集めている技術だとわかりました。
開発にかかるコストやミスを削減できるというメリットがあり、簡単な操作で開発のできるツールも多数あるため、ぜひノーコード・ローコード開発に積極的に取り組んでみてください。