カリギュラ効果とは?Webマーケティングに使える心理学
Webマーケティングや営業を行う中で、よりターゲットを絞って効率的な動きをしたいと感じたことはありませんか?
このような時に役に立つのがカリギュラ効果です。
この記事ではカリギュラ効果の意味から活用方法まで詳しく説明します。
- 目次
- ■カリギュラ効果とは?
- ■カリギュラ効果をWebマーケティングで活用する方法
- 行動を禁止するセールスコピーを作る
- 限定をアピールする
- バーナム効果と組み合わせた説明をする
- ■カリギュラ効果を使用する上での注意点
- ■まとめ
■カリギュラ効果とは?
カリギュラ効果とは心理的リアクタンス(選択の自由を奪われると反発する心理作用)の1種で、禁止されると興味や好奇心が強まりその禁止を破りたくなる心理効果です。
実在するローマ皇帝カリギュラの人生を描いたアメリカとイギリスの合作映画「カリギュラ」に由来し、内容の過激さからアメリカの一部地域で上映禁止となったものの、他地域に出向いてまで鑑賞した人が多くいたことから名付けられました。
人は「自由に選択をしたい」という思いが根底にあるため禁止されたことをやりたくなってしまうのです。
■カリギュラ効果をWebマーケティングで活用する方法
カリギュラ効果をWebマーケティングで活用する方法を3つご紹介します。
行動を禁止するセールスコピーを作る
カリギュラ効果を利用したセールスコピーを作ると、よりターゲットを絞ったWebマーケティングを行うことができます。
例えば資格取得のための講座を開講するとして、どちらのセールスコピーで生徒募集をかければ最後まで諦めずに勉強に取り組む生徒がより多く集まるでしょうか。
①本気でこの資格を取得したい人以外は、受講申込をしないでください。
なぜなら講師一同、生徒全員を合格させるという気持ちで授業に取り組むためです。
②資格を取得したい方であれば、どなたでも受講可能です。
初めての方でも、少しご自身で勉強している方でも講師は対応可能なためです。
②は一見敷居が低いので親しみはわくかもしれませんが、脱落する生徒が出ると受講生全体の士気が下がってしまう可能性があります。
しかし①で募集をかければある程度理由に納得した上で、多少難しい授業内容でもがんばるという意識を持つ生徒だけを集めることができ、脱落による士気低下のリスクもある程度回避できると言えるでしょう。
カリギュラ効果を用いて本気で資格取得したい人以外の受講を「禁止」し、ターゲットにしたい生徒だけの行動を促すセールスコピーの作成事例です。
限定をアピールする
Webサイトの中に「会員限定」や「購入者限定」のページを設けているECサイトを最近はよく見かけます。
このページに書かれてある情報はもちろん会員や購入者にとってメリットのあるものなのですが、限定の対象外の人にとってはカリギュラ効果でその情報へのアクセスを「禁止」されているため逆にどうしても知りたい情報という位置づけとなるのです。
この場合限定の対象外となるターゲット顧客は会員になったり、購入をしたりしてその情報を手に入れようと行動する可能性が高くなるのではないでしょうか。
既存顧客へのフォローをしながら、新規顧客にもアプローチできる効率的なWebマーケティングと言えるでしょう。
バーナム効果と組み合わせた説明をする
バーナム効果とは誰にでも当てはまることを言われているにもかかわらず、自分にだけ当てはまっていると感じる現象を言います。
自分が顧客だとして次のような保険の営業を受けた場合、どのように感じるでしょうか。
「申し訳ないのですが、保険の見直しに前向きでない方へのこの商品のご紹介はできません。私はもし良い保険があれば見直しをしようかと考えているお客様だけに契約していただきたいからです」
このような前置きをされると、少し営業の人の話を聴いてもよいかなと感じる人は多いでしょう。
営業の人が行った説明では前半でカリギュラ効果を用いるために商品を紹介できないと伝え、後半で「良い保険があれば見直しを考える」という誰にでもあてはまる条件を提示してバーナム効果を用いています。
カリギュラ効果とバーナム効果を組み合わせて説明を行うと、効果的な営業ができるという事例です。
■カリギュラ効果を使用する上での注意点
カリギュラ効果をよりよく活用するための注意点は2つあります。
1つめは禁止事項のハードルを上げすぎないことです。
例えば高額な商材を扱うWebサイトで購入者限定ページを作ったとしても、あまりカリギュラ効果を使ったマーケティング効果は見込めません。
これは商材の価格が高いことで、購入者限定ページへアクセスする条件が厳しくなっているためです。
2つめは禁止する理由をはっきりと伝えることです。
ターゲット顧客は納得感のある理由がなければ行動を起こしてはくれません。
効率良くコンバージョンにつなげるためにも、禁止の理由は明確に伝えましょう。
■まとめ
カリギュラ効果は顧客に対して一定の禁止事項を設けることで、ターゲットを絞ったマーケティングや効率的な営業活動を可能にする便利な心理効果であることがわかりました。
ぜひターゲット顧客へのアプローチ方法の1つとして、積極的に活用してみてください。